観終わったあと心地よい疲労感。なぜなら全編100分あまりずっと緊張しっぱなしだったから。ハイテンションが続く物語は後半にはいっていったん落ち着きを見せるものの、そこから予想外に二転三転、そしてクライマックスに向かって怒涛の勢いの再発進。名門音楽学院を舞台にした鬼教師と若きドラマーの対決物語「セッション」。
とにかく鬼教師を演じるJ・K・シモンズの迫力がすべて。その形相は鬼以外の何ものでもなく、こんなひととは1分たりとも同じ空気を吸いたくないと思ったり。風貌がやや似通ってるせいもあってか日本人なら誰でもある劇演出家を想起するだろうみたいなことを考えてたら、この鬼教師、きっちりふがいない生徒に向かって物(灰皿にあらず)を投げたのでビックリした。
いっぽう主人公ニーマン役はマイルズ・テラーという今年28歳になる若手。いままで青春アクションもので鍛えられてきたせいか、緊張続く物語のなかひと息つけるロマンスっぽいシーンでの表情がとてもいい。もちろん白熱のドラムプレイはごまかしようがないから大絶賛もの。次回作はあの「ファンタスティック・フォー」新作ほぼ主演というから、おいちょっとは休ませてやれよ。
ジャズ好きのかたにとってはいまさらなのかもしれないけど、けっこうジャズの巨人たちの伝説めいた話や彼らの言葉の引用あり。血と汗と涙という使い古された表現がけっして大げさなものではなく(実際それらがリアルに飛びかうことにも注目)、かといって単なる直線的な根性ものには終わっていない、本年屈指の名作に数えられる一本だと思いました。
ログインしてコメントを確認・投稿する