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2015年04月17日07:46

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★洋ちゃんの読観聴 No. 1054

★洋ちゃんの読観聴 No. 1054              

映画 「パプーシャの黒い瞳」                 

最近注目を浴びているポーランド映画だが、これも
その一作。

1910年に生まれ1987年に亡くなったジプシーの
女性詩人の物語。これは実話に基づく作品だ。

ジプシーは放浪の民で欧州中で移動しているが、
特に東欧で多いと僕は思う。この映画の舞台も
ポーランドで、主人公を中心に音楽演奏などで
糧を得るジプシーのコミュニティが登場する。

30人前後だろうか、幌馬車をしたてて町から
町、村から村へと移動する。ジプシーは書き文字を
持たない。だが、若い女の子(パプーシャ)は独学で
文字を学び、誰から教わったわけでもないが、
心のおもむくまま詩をつくってゆく。

このジプシーのコミュニティに短期間滞在した男は
詩人で、パプーシャの才能に気づき、コミュニティから
離れた後にパプーシャに働きかけ、彼女の詩を
新聞に載せさせる。それにより彼女は収入を得る。

これより前にパプーシャは親子ほど年の差がある
男と意の沿わない結婚をさせられている。個人の
自由意志が尊重されないジプシー社会の習慣も
表現されている。

彼女の才能を見出した男は、コミュニティでの
生活体験を基にジプシー社会を紹介する本を
出版する。だが、ジプシーの紹介などもってのほかと
考えるコミュニティの逆鱗にふれ、パプーシャの
せいだとし彼女を責める。

彼女は悩み詩を書くこともやめてしまうが、やがて
コミュニティから追放されてしまう。

カラーではなくモノクロの映画だが、その映像は
美しい。特に農村地帯をゆっくりと移動する馬車を
とらえたロングショットがいい。

そんなに昔のことではない。また、同じように
差別を受けて苦労を重ねた人生を送った人たちは
日本にもいることを忘れてはならない、と思った。

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