mixiユーザー(id:26940262)

2015年02月02日20:04

1038 view

切り裂け!闇を拳で ( 映画『激戦 ハート・オブ・ファイト』)

1日は映画サービスデイ。

あのような悲しい事件があったとはいえ、日曜日でもあるし、これは出かけずにはいられない。

お目当ては難波のTOHOシネマズでも上映されていた『KANO 1931、海の向こうの甲子園』だったのだけど、劇場に来てみればなんと満席!げっそり(1時間近く前に来たのに・・・泣き顔)

仕方なく、アメリカ村に足を向ける。実はミナミに出向いたのはもう一つ目的があって、中古盤屋の「キングコング」に行って、CDを処分せねばならない。その数50枚弱あせあせ(飛び散る汗) ぎっしり入った紙袋を二重にしてえっちらおっちら・・・ああ重い冷や汗

アメ村にあるシネマート心斎橋で観たい映画を物色してみれば、これがいいだろうと目星をつけたのが、『激戦 ハート・オブ・ファイト』という香港映画。

八百長試合が発覚して、身を持ち崩したボクシングの元チャンピオン、ファイ。実家の会社が倒産して無一文の御曹司スーチーと、息子を事故で亡くして心のバランスが崩れた女性メイ。物語はファイとこの2人の交流ですが何よりも見せ場は格闘技の試合!
それはすなわちMMA。いわゆる「総合格闘技」。日本ではかつては「PRIDE」として知られていたのでご存知の方は多いはず。
パンチ、キックの打撃に加え、寝技もあり。関節技、絞め技も可。
PRIDEでは普通の四角いリングですが、本格的なMMAでは「オクタゴン」と言われる八角形のリングに、しかも周りが金網。ワンラウンドは10分の長さ。
予告編を見てまずびっくりしたのがそれでした。ボクシング映画は数あれど、MMAの試合を真っ向から舞台にしたのはこれが初めてではないか。いったいどうやって演技をつけて撮影するのだろう?と前から気になっていたのです。
フォト

だけど正直自分はMMAがあんまり好きじゃない。いや嫌いと言っていい。何が嫌いかっって、あの「マウントポジション」という、相手に馬乗りになって上からボコボコに殴るやつ。あれがMMA基本の必勝スタイルとはいえ、見た目が残酷でとても見てられない。プロレスはともかく、ボクシングや柔道や相撲のような柔よく剛を制する華麗さが無いよ。ケンカじゃないかあれはと・・・。それに自分はプロレスファン。そう、かつてプロレスラーがMMAに挑んでことごとく負けてきた恨みもあるし(笑)

フォト
ところが!映画を観てみれば、これがもう目の覚めるような、手に汗握る力の入った場面の連続。殴る蹴る締める。その汗の飛び散りよう。必死の形相。手や足の極め合い、その返し技。相撲が48手ならMMAは何手あるのか!?というくらいの技と力の応酬がこれでもかとスクリーン上にバシッバシッと繰り出されていきます。それは野蛮どころか美しささえ感じるほどだ。役作りも含めた俳優陣の体を張った演技も素晴らしいのでしょうが、何よりもカメラワークだ。いったい何台のカメラを駆使して、どれくらいの時間をかけて編集したのかexclamation & questionと観ながら感嘆するくらいに素晴らしい。
監督のダンテ・ラムは、それまでずっとアクション畑を歩いてきた人。だからそういう経験値は充分に持っているのだろうけど、それでも半端な力の入れようではここまで作れまい。よっぽど気合いが入っていたのでしょう。
正直、ホンモノのMMAよりもかなり動きが派手じゃないかとも思ったりしても、まあそこは映画。ここまで魅せてもらえればじゅうぶんじゃないかと納得しました自分としては。

あ、いかんいかん。アクションばかり強調してしまって。
ストーリーはいわゆる「どん底からの心の再生」系。
フォト
フェイとスーチーの師弟愛。フェイとメイ(とその娘。これがまたこましゃくれて可愛い!)との心暖まる触れ合い。
フォト
定番と言えば定番ですが、その迷いの無さが逆にがっちりとしたヒューマンドラマになっている。そして実は後半に意外な展開が!これはネタバレですので言えません。

格闘技映画では「お約束」の過酷なトレーニングシーンも見応えはあるし、舞台が香港ではなくマカオというのもミソだ。更に洋楽リスナーとしてびっくりしたのは、その後半の意外な展開で流れる「Sound of Silence」。ご存知サイモン&ガーファンクルの曲ですが、歌うのは中国人の女性歌手(歌詞は英語のまま)。歌詞が字幕で出てくるのだけど、「darkness」という逆境を跳ね返そうと死力を尽くす姿に意外なくらいにハマっている。ここがもう琴線に触れまくりだった。

激闘の後は優しく泣かせてくれて。これもまた格闘技系映画の定石なのだけど、それでも涙腺が緩んで緩んで・・・。観終わって、人生についても考えさせられ勇気づけられる。『KANO』を見そびれた悔しさも吹っ飛ぶ思いの快作でした。

フォト【予告編】http://youtu.be/9_IYG4XVcb4


そうだ言い忘れた。買い取りで持ち込んだCDは結局1万5千円也指でOKキングコングさん、今回もGJ!ウインク有料





13 10

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する