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2015年02月01日12:35

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地雷を踏んだらサヨウナラ

 明日から訓練なんで、立て続けに書いちゃいます。

 浅野忠信主演の「地雷を踏んだらサヨウナラ」。
 1973年11月、内乱のカンボジアで消息を絶った戦場カメラマン・一ノ瀬泰造の物語です。

 公開当時、この作品を観た友人にこんなことを言われ、愕然としました。
 「この主人公、最低。家族に迷惑かけて、好き放題やって、自分から危ない所にのこのこ出かけていって殺されて。なんでこんな話が映画になるのかわからない」

 私はこういう声ってきっと少数派なんだろう、と思ってました。あのイラク人質事件が起こるまでは。
 日本人って、本当に「海外へ出て働く人」「海外で活躍する人」が大嫌いなんですね。

 戦場カメラマンは必ずしも高邁な目的で紛争地帯へ赴くわけではないと思います。たぶん、目的は金と名誉。そして自国では感じることのできない一種の高揚感。
 そんな価値観で動く人の中には人格の破綻した者もいるかも知れません。
 でも私たちは、そんな人たちの伝える映像や声によって世界の「いま」を知るのです。

 銃弾や砲弾の飛んでこない場所で暮らす私たちが、彼らをただの「目」として「耳」として使い捨てていいのでしょうか。
 フリーのジャーナリストだけでなく、大メディアに対してもそうです。
 メディアは時として新たな権力として暴走することもあります。恣意的な報道をしたり誤報をしでかすこともあります。だからって彼らを一括りにして「マスゴミ」なんて言い放ってしまっていいものか。私はこの「マスゴミ」という下品な言葉が大嫌いです。こういう言葉を平気で使う人は自分が何様なのかよく考えた方がいいでしょう。
 いかに問題を抱えていたとしても、メディアがなければ私たちは盲目も同然なんですから。
 漫然とパソコンの前に座ってグーグルやら何やらで検索すれば情報は手に入るなどと思っていたら、大間違い。そもそもその情報からして、事の最前線にいる「誰か」が体を張って手に入れたものじゃないですか。それをタダでかすめ取ってネット上で言いたい放題なんて、まともな人間のすることではありません。

 どんな動機で動いていようと、どんなに無謀なことをしていても、情報の現場にいる人たちに、私たちは何らかの敬意を持たねばならないのではないかと、強く思います。

 イスラム国関係のニュースが激しく飛び交う今、一ノ瀬泰造の短すぎる生涯を描いたこの作品が多くの人の目に留まることを祈ります。
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