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2015年01月09日19:59

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ハイレゾ音源を楽しむということはちょっと面倒

 前回にフランク永井の「ザ・カバーズ」の楽曲がハイレゾ音源として、リストに加わったということを書いた。「ハイレゾ音源って何よ」という声があったので、今回はちょっと横道にそれてそれに触れてみたい。
 あくまでも筆者の個人的なメモの類なので、面倒だと感じたら飛ばしてほしい。

 ハイレゾというのは、高解像度ということで、これまでデジタル音源の主流であったCD音源にたいして、それよりも優れた高音質な音源という意味をもっている。
 音楽メディアとしてのCDは規格が統一されていて、当然だが全世界共通のプレイヤーで再生できる。この規格とは大雑把にいえば、74分までの演奏を収められる。ベートーベンの交響曲第九番が1枚のCDに記録できるということで決まったと言われる。
 CDからコンピュータが読みとって音として再現したときに、その音質が人の耳の聞き取り可能な範囲をカバーし、損なわない範囲であるという条件を踏まえていなければならない。それが、�.汽鵐廛螢鵐絢�波数44.1kHz、�▲咼奪肇譟璽�1411.2jbps、��ビット深度16bit、�ぃ殴船礇鵐優襯好謄譽�、という4条件にあたる。
 このCDの規格は社会的に容認されてきたもので、特殊な用途を除いては充分なものとして1980年代から今日まで認められてきた。

 ところが、CD以前のレコードなどのように「音楽は本来アナログでそれを強引にデジタル化することで情報が切り捨てられている」とか、「人間の耳は優秀で上記4つの規格で決めた以上の音域を聴き分けられる」ということを主張する声があった。
 アナログでの音の再生にこだわる人や、CD規格を超えた周波数帯まで再生する方式を研究したりする人たちが表にでてきた。
 そうしたニーズに対する音源の提供と再生の機器を提供する世界が広まって来た。CDの販売の落ち込みを懸念していた音楽業界が、この動きを新たな展開の好機ととらえた。それが現在の「ハイレゾ」の盛り上げだ。

 だが、現在ハイレゾは、ある形や仕様が統一されているわけではないので、それを試してみたり、楽しむというのはちょっと面倒である。
 そのあたりを、(1)【入口】音源、(2)【処理】処理機器、(3)【出口】再生機器という方面から見直してみる。

 (1)【入口】ハイレゾ音源は基本的に音源配信サイトからダウンロード購入する。あらかじめハイレゾ音源を用意する場合は、その処理は(2)処理機器でハイレゾ音源を入力音として直接扱える必要がある。
ハイレゾ音源であるが、実はハイレゾを楽しむのに、ハイレゾ音源を用意することが絶対的なことではない。
 ハイレゾ音源ではない、つまりレコードなどのプレーヤー(ターンテーブル)からアナログ音源として入力したものを(2)処理機器がハイレゾ化するということがある。つまり処理機器でハイレゾ音源化するという利用方法がある。
 さらに、CD音を処理機器でハイレゾ音源化するというのまである。CD音質で捨てられたはずの情報をコンピュータ解析によってシュミレートして補完してハイレゾ音源化するのだ。
 音域は基本的に「サンプリング周波数」と「ビットレート」で決まるが、ハイレゾではCDのように一律に決めていない。処理するソフトあるいは機器の機能で選ぶようになっている。自分がソフトで決めて作成して楽しむという楽しみ方がある。ただし、このようにして作成したハイレゾ音源ファイルは、当然だがそのサイズがびっくりするような大きさになることがある。

 (2)【処理】処理機器は上記のように入力された音源を、ハイレゾならそのまま、アナログならハイレゾによるサンプリング、CD音質なら計算によるハイレゾ化をする。これはPCのソフトウエア的なものとしてもあるし、USBに外付けする機器としてもある。
 ポータブルタイプもあり携帯やポータブル・プレイヤーにつなぎ、(3)のハイレゾ対応ヘッドホン(またはイヤホン)との組み合わせで利用できるのもある。
 PCを利用するのが多いのだが、PCは電磁的にはノイズの巣窟のようなもので、せっかくのハイレゾ音源も処理し出力するのも、自身のノイズが大きな障害になっている。その対策としてノイズが入り込みルートを大幅にショートカットする機能を持つ機器かを見極めることも大事になる。

 (3)【出口】再生機器は、(2)からハイレゾ化されたストリームを受け取り、人の耳に伝える機器だ。ハイレゾ対応のアンプ+スピーカー、あるいはハイレゾ対応のヘッドホンやイヤホンがこれにあたる。
 ハイレゾ音源をダウンロードで購入して、それをポータブルな小さなプレーヤーに転送し、デジタル・ウォークマンのような形で用意されている機器もある。
 (2)処理を(3)と一体化させた機器もある。つまり、ヘッドホンだけ、イヤホンだけでハイレゾを楽しめるというものまである。
 CDの音域が再生機器の上限としている機器では、例えハイレゾ音源を使用しても、ハイレゾ処理装置を通しても、ハイレゾを体験はできない。

 ハイレゾ音源はフランク永井の場合一曲540円で、CD音質よりやや高めになる。処理機器はフリーのソフトもあるが、機器としては5000円程度から数十万円のものまである。
 再生機器は、ウォークマンタイプはいろいろあろうが2万円程度からある。ヘッドホンやイヤホンも2万円からといってよい。アンプ+スピーカーのコンポタイプのものでも、4万円程度からあり、先日新聞をにぎわしたパナソニックは2百万だったか。

 で、今まで高音質の標準として君臨していたCD音質を、さも基本的に「足らない、欠けている」かのような曲にあるハイレゾは、基本的な矛盾ではないのか、電気量販店で巨大なスペースを割いて宣伝するようなテーマは過去の自己否定ではないのか、ちょっと行きすぎているのではないのか、と思ってしまうのだが。。。
 筆者はこうした研究は嫌いではないので、(2)の機器や(3)の機器も利用している。DACもヘッドホンもイヤホンも。だが、CDを自分の気に入った非ハイレゾの出力機器で聴いて楽しむのと、ハイレゾ機器で楽しむのとの差をみたときに、やや疑問を感じざるを得ない。それはハイレゾを一般のユーザーのものにするという点であって、ハイレゾそのものは決して否定するものではない。手軽に楽しもうとするにはまだハードルが高いし、高価だし、その音質を体感に満足するのは個人差が大きすぎるようで、筆者として現時点で強くお勧めはできない。
 単純に音を楽しみ方の多様性として広まってほしい。音楽を楽しむ高級嗜好あるいは趣味としてハイレゾを利用するというのが感想である。

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