私が二階堂ふみという女優さんの名前を知ったのは、数年前のこと。金曜ナイトドラマ枠でオンエアされた「熱海の捜査官」で、オダギリジョー演じる主人公に妙に明るく馴れ馴れしくまとわりつく女子高生を演じていたのがやたらと印象に残りました。
可愛いけど、なんかヘンな芝居をする子だなあ、と思っていたら、園子温監督の「ヒミズ」でベネチア映画祭新人賞を受賞、ああっと言う間に若手実力派女優の座についちまったのです。
三池崇史の「悪の教典」を除けば、「地獄でなぜ悪い」や「私の男」など、およそ普通とは言えない役ばかりをチョイスしてきた彼女、新作「日々ロック」でもかなり振り切れた芝居を見せてます。
今回の二階堂の役どころは、近未来テクノポップアイドルとして注目を浴びていながら、実は元ロック少女で、主人公達がやっているポンコツ・ロックバンドになぜか入れ込んでしまうというもの。
本作では歌やダンス、ギターばかりでなく、カンフーアクションまで披露。おまけに立ち回りの最中に噴水みたいなゲロを吐きまくるという見せ場もあり。普通の女優さんじゃやらないよなあ、こういうこと。
ラスト近く、不治の病に冒されて生きる気力をなくしてしまった彼女が、件のポンコツバンドの曲に励まされ、銘菓ひよこを頬張るシーンの芝居の素晴らしさ! あたし、生きられるだけ生きてやる!という決意が観る者の胸に突き刺さる、本当に凄い芝居でしたよ。
女優・二階堂ふみの今後の活躍、楽しみですなあ。
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