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2014年05月31日13:50

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「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」〜古くて新しい男の歌

コーエン兄弟最新作にして昨年のカンヌ・グランプリ作品。1961年、NYのグリニッジ・ヴィレッジが舞台、実在したモデルがいたというもタイトル通り名もなき伝説のフォーク・シンガーさすらいの物語。全編セピア色に包まれたわずか一週間のストーリーながら、まるで長い長いロードムービーを観たかのような感触が残りました。

1961年(私の生まれた年!)という設定が興味深い。我々がふつうに思うところの、アコギを爪弾き自らのメッセージを伝えるフォークソングと、フォーク本来の意味である伝統的な民謡がまだライブハウスに混在していた時代。聴衆たちもマジメな雰囲気、教会のなかとまでは言わないまでも実におとなしく音楽に聴き入っています。

だからこそ主人公ルーウィン・デイヴィスの異端ぶりが目立つわけで。ヒゲをはやしている唄い手がとがめられる時代、自らの表現に真摯な彼はいたるところで周囲と衝突する。まあこういう世渡り下手な唄い手っていつの時代でもいますよね。私の知人フォークシンガーにも心当たりがあり、映画を見ているあいだ、彼のすがたがダブってしかたなかったのです。

脇役たちが実に個性的で面白い。日本人におきかえればまさに“昭和の男”と言いたくなるようおっさんキャラが何人も登場します。そしてヒロイン女友達の口をついて出る、時代を考えるとかなり強烈で下品な言葉の連射砲が痛快。フォーク好きのみならず音楽好きのかたにすべてに観ていただきたいと思う味のある作品です。



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