主役ジャスミンを演じたケイト・ブランシェットのうんざり顔が頭から離れない。ウディ・アレン作品と言えばふつうなら複数男女の恋愛憎愛イザコザがメインテーマとなるのだけれど、今回はアレンとは初顔合わせになる彼女の一本かぶり。役者冥利につきる鬼気迫る演技の連続。アカデミー賞最優秀主演女優賞は当然と思える熱演がすべてをささえていたような作品。
ニューヨークでのセレブ生活が破たんしたジャスミンはサンフランシスコに住む妹のもとに身を寄せる。新たなる自分をスタートさせようとするが、あまりにも違いすぎる環境が邪魔をしてうんざりする日々の連続。プライドが高い彼女はすべてに行きづまりウォッカと精神安定剤におぼれてしまう。さて、彼女の運命やいかに…。
サンフランシスコにおけるアンバランスな彼女と、ニューヨークでの栄華極める彼女を交互に行きかわして、なぜ彼女はこうなってしまったのか、そしてこれからいったい彼女はどうなるのかという好奇心をぐいぐいと引きよせていく。そのあたりの巧みさがさすがウディ・アレン。エンディングは意外といえば意外だったけど…。
そして彼女の一本かぶりとは言いつつも、脇役たちの人間像が実にリアルで生々しい。ニューヨークとサンフランシスコの対比という設定にしたのもよくわかる。たぶんそれは東京と大阪みたいなもんだろうけど。いつものことながらまともなキャラがほとんど出てこず、みんなどこかおかしくどこか病んでいる。これがアレン作品最大の魅力なんです。
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