バカバカバカ。とんでもなくバカ。でもこれはいわゆるB級おバカムービーのバカとはまったく別モン、いわばA級いや特上級のバカ。マーティン・スコセッシとレオナルド・ディカプリオがタッグを組んだ「ウルフ・オブ・ウォールストリート」。そう超一流のメンツによるおバカはどこか違うんです。年収49億円を得るまでのし上がった証券ブローカーの話。
実話とはいえ話がうまくいきすぎるとか、クスリやオンナ漬けのアメリカ社会がどうとか、そんなツッコミいっさい言いっこなし。この虚栄の市にドップリハマりこんだモン勝ち。やっぱりハリウッド映画ってすごいって思う。こちらいきなりセコくなる日本人だけど、1回分の映画代でしっかりモトがとれる作品、必要以上に凝ったCG映画なんかと違ってこういう贅沢は素直に許すのです。
脇を固める連中のリアルな演技も見どころだけど、やっぱりディカプリオの存在なしにこの作品は語れません。ジャンゴと敵対する嫌味な男とか、ギャツビーの華麗なる生活とか、このところの彼が築きつつある、そしておそらくは今後俳優としての生きる道になろうかという、虚飾にまみれ浮ついた男性像の集大成的キャラクター、それが今回の彼だと思いました。
映画の神様にお願いしたい。今度こそアカデミー最優秀主演男優賞をディカプリオに与えたまえ。他の候補者の作品すべてを観たわけじゃないけれど、ここまでカラダをはって3時間出ずっぱりだった彼が、あいかわらず無冠の帝王のままに終わったら、いったい今後どんなキャラを演じればいいというのか。ここで獲らないともう獲るとこないよ。
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