西部劇に黒人奴隷を重ねる〜今回のタランティーノ作品はどこまで史実に基づいたのやら、アメリカの歴史に詳しくないこちらとしてはなんとも言いようがありません。またまた彼得意の突飛な思いつきかも…カタブツの歴史学者なら怒り心頭だったりして…。さらに時代考証などまったく無視したかのようなセリフや小道具もちらほら、でもタランティーノだから許してしまうのです。
最終的にはジェイミー・フォックス演じるところのジャンゴがまぎれもない主人公だと納得するのですが、シュルツ(クリストフ・ヴァルツーこの演技でアカデミー賞・最優秀助演男優賞受賞!)のほうが主役ちゃうのと思ってしまうほど、彼を中心にストーリーは進んでいくのです。ジャンゴが“爆発”するのはラスト数十分、それまではあえてタメにタメてという感じでした。
そしてもうひとり、敵役を演じたレオナルド・ディカプリオ。今後はこういう“やや甘ちゃんな悪党役”が一番ええんちゃうのというハマり具合を見せてます。さらに脇役陣のなかにはお久しぶりな顔も。とにかくセリフのやりとりが大仰で(外国の人が日本の時代劇を見たとき、同じように感じるのでは)、大きめの音量で唐突に鳴り響く音楽も効果的です。
タランティーノの作品となると、つい我々はいろいろと深読みしてしまいがちです。激しい銃撃戦のさなかでも、このアングルあるいはこのセリフは深作欣二作品の引用なのかなどと必要以上に勘ぐってしまうんですね。けれどそんなこといっさい気にせず痛快な西部劇として楽しむのが一番では。敵対関係もハッキリしているし、ストーリーもブレのない直球勝負の活劇でした。
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