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2026年06月27日10:41

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AIと音楽界。AIが歌う歌謡曲、J-POP、フォーク、ロックの驚き

 今回はフランク永井との直接の関係はない話です。
 先日日テレBSで年頭に放送された美空ひばり特集が再放送されました。AIで美空ひばり映像を復活させて、主演者である市川由紀乃・三山ひろし・梅谷心愛と一緒に歌うというのを売りにした番組です。
 主題はこの目玉のコラボもさることながら、芸能活動80周年を迎える美空ひばりの生涯、息子和也との家族愛を紹介する大型番組です。
 NHKが没後30周年記念としてAIで新曲を歌わせたのは2019年。このときにはAIの再現に不自然さがあって、評価は分かれたのですが、AIの急速な発展が社会的に取り上げられているときであったので、やはりでてきたか、という思いで見たものです。
 今年の日本テレビ版は、その後の生成AIの驚異的な発展を背景に、比較的見られる美空ひばりの登場で、新曲はなく過去の実歌唱をかぶせていています。今回の最大の期待物は、1988年の不死鳥コンサートの別アングルからのカメラ映像から再構築した作品の放送です。6月26日放送されました。
 さて、今回の話題は今年になってから特に多彩となったWeb上のライブラリのことです。私は主にYoutubeで鑑賞していますが、生成AI が作った戦後歌謡曲、J-POP、フォーク、ロックのオムニバス・ライブラリです。「懐かしい昭和の…」「重低音…」「あの日のまま」「感性演歌」といった日本の戦後に流行した曲を、2時間程度にまとめたものです。
 特徴は基本的にBGM風に、同じ雰囲気にすべての曲を作り直していることです。歌唱はAIに歌わせています。原曲を歌った歌手の声にわずか似せているところはありますが、基本的に新たに歌わせています。
 AIは元歌をもとに、曲を新たにAIで編曲して演奏させます。それにAIの歌唱を重ねています。BGI風ということは、それぞれの曲が持つ、さびとか、ビブラートとかの歌手の解釈による独特のかぶせを取り除いています。完全に元の譜面にあわせた歌唱をさせています。もちろん、単にそれだけではフォレスト風になってしまい、味が消えてしまいます。
 アルバムの作成者はAIへの指示がうまく、曲を聴いた視聴者が源曲以上の受け取りをするレベルまで調整を細やかに施しています。「少女A」を「しょうじょ、あ〜」と発音しているのを見過ごしているようなところはときどき見受けられはしますが、私が聴いていて、大変感心します。
 このようなWebでのアルバムは当然ながら、海外でも同じようにやっています。シャンソン、バラード、ロック、闘争歌とさまざま、何でもあります。前回にちょっと紹介した「さよなら」「クリスマス・イブ」「2億4千万の瞳」「白い恋人達」はそうした一つです。
 これは別にしても、AI歌手は実際の人間でないために、音質、音量、歌唱法を考えられるあらゆる方法、形で表現できます。AIが歌う、ロックなどは感動もので、実際の歌手の歌う曲と比べると、すごさの質が違います。つまり優れた歌手の独特の歌唱のところところが熱烈なファンが集まる要ですが、それはそのまま好き嫌いになります。ところが、AIは基本的に万人に受け入れやすい、好かれる、イヤミのない音質で歌い抜きます。
 ある意味、作詞し作曲した側は、曲を通じて実現したかったことを理想的に実現するようなものでしょうか。それを念頭において生きている歌手に歌わせます。歌手のもつ特性を極限まで引き出すことで、曲ができています。
 これからの歌手はこのAIから学ぶのは不可欠になる気がします。ここでAIをエラく持ちあげましたが、AIに曲を新たに作らすのは、まるでダメのようです。現時点では、作詞、作曲で人をうならせることは実現できていません。良いところまでは行っているようですが、現時点での生成AIはしょせん過去に人間が作り上げた作品のデータであるという限界を超えられないようです。特に、人間の感覚的な、生きた感性を理解できていない。紹介したようなアルバムは、あくまで作成者が生成AI にたいして、こまやかな、気が遠くなるような指示を、何度も繰り返して与えることで実現したものです。
 だが、AIも実践の中で賢さを増しているようです。
 今売れている「AIは人間を殺さない、飼い殺す」適菜収著、KKベストセラーズ刊。読んでみてわかりますが、AIは適菜氏の思考に寄り添った、しかも彼のレベルの文章力、使用する語彙を選ぶ段階には、妙に感心させられます。人間の感情など理解しないのは確かのようですが、極めて巧妙に感情を持っているふりをします。AIをどううまく人間が道具として利用するかについて、深く考えさせられる好書です。
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