いきなり“ファブル”とよばれる謎の殺し屋(岡田准一)が暴れまくり、観る側にその超人的な能力を惜しみなく刷りこむ。このくだりのスピード感はいかにもCMプランナー出身監督(江口カン)による映像効果。"仕事”をしすぎたファブルには、一年間大阪で潜伏し小市民的生活をせよ、誰かを殺したら殺すぞというミッションがボス(佐藤浩市)からくだされる…。
超ひらパー兄さん岡田准一の大阪弁は文句なしだが、残念ながらロケ地は大阪にあらず北関東。これみよがしに置いたデイリースポーツを発見、見出しに「ナバーロ」の文字、と重箱の隅。コミック原作者は岸和田出身、関西の笑いにどっぷり浸った50歳手前。レイトショーの劇場内7割がたを占めた若いカップルたちからは笑いが絶えなかった。
基本的には何発もの銃弾が飛び交う裏社会ヤクザ抗争の話。スクリーンはダークな色調が続くが、よくよく考えればせいぜい半径1キロ程度の小さな町での出来事、さほど大きくないスケールのイザコザかも。クライマックスのドンパチアクションシーンに用意されたごみ処理施設内部は、どこから弾が飛んできても文句言いっこなしという複雑な構造、これがスリルを生む。
コミックはまったくの未読だけど、なかなかユニークなヒーローの出現だと思う。ヘアスタイルのせいか岡田准一はふだんより重厚、さらにアクションしてないときの彼は鈍重な印象さえ。はずかしい話ながら、木村文乃と山本美月をずっとテレコにしたまま観ていた。だって(特に木村文乃が)いままで演じてきたキャラとは正反対の役柄だったから。
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