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2023年06月05日12:07

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【復刻記事】紅白最多出場歌手「フランク永井」低音の魅力のムード派歌手

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【第12回フランク永井歌コンクール告知】
  2024(R6)年3月16日(土)17日(日) 大崎市松山体育館
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 1979年第30回NHK紅白歌合戦が開かれ、フランク永井ここで3回目の「東京午前三時」を歌っています。NHKから発売されている紅白特集記事が当時でていました。正確なメモがなくてすみません。
 そこに出ていた記事を記録の一環として復刻紹介します。紅白で二度トチったことなどが語られています。写真はその記事に掲載の分と、その紅白で歌うフランク永井です。

 昭和三十二年、紅白歌合戦第八回大会に出場以来、通算二十三回の最多出場。
 浮き沈みの激しい歌謡界で息の長い本格派歌手として、彼の存在は大きい。
 あちこちののど自慢荒らしをしているところをスカウトされデビュー。ビクター芸能部の中でもっともキャリアの長い歌手だ。紅白初出場で「東京午前三時」をうたった彼は、当時の思い出をこう語る。

 「あの時の司会者は高橋圭三さんで、僕の歌を�爐海譴�ら時報をお知らせします『東京午前三時』です�瓩半匆陲靴討�ださったんですよ。もちろんそんな時間じゃないですけどね。歌い終わったあとで、灰川勝彦さんから�爛哀奪疋献礇梱瓩噺世錣譴憧鬚靴�ったですね」
 「有楽町で逢いましょう」「君恋し」「夜霧の第二国道」「大阪ロマン」等、あの低くそして甘い声は、彼ならではのもの。
 一曲一曲がだいじに長い間うたわれ続けている。マィクというより、グラス片手にという感じが似合いそうなムードと、落ち着いたふんい気、そんな彼にもこのようなエピソードがある。
 「僕は紅白で二回トチッていますよ。
 一回目は、第十三回で『霧子のタンゴ』をうたったとき。紅白の場合ね、時間がないから曲のイントロを切るんです。ごく慣れているイントロを切られてしまって、あわてて歌い出したら、一小節早く出てしまったんですよ。
 ペロッと舌を出して歌い続けましたけどね。その時、確か三橋美智也さんも、同じように早く出てしまって、ああ、同じ間違いをするものだなぁなんて、なんとなく安心しましたね。
 二回目の失敗は、第十九回『加茂川ブルース』を歌ったときで、僕の歌に合わせて三浦布美子さんが踊るんです。僕と三浦さんがからむ部分で、三浦さんに見つめられ、彼女と何か約束でもあったのかなぁ、なんて歌の最中に思ったとたん、歌詞を忘れてしまって、一番と二番の歌詞を間違えてしまったんです。これもうまくごまかしたが、気付いたのはバックバンドの人たちくらいかなぁ」
 とにかく出場回教が六回ぐらいまでは、ほとんどあがらなかったという。「先輩を食ってやろう」ぐらいの意気込みでうたっていたのが良かったのだろう。それが回数を追うごとに緊張感が増してくる。これは自分でも不思議な現象だそうだ。「ここ四〜五年は、まともに歌をうたえたという印象が希薄なんですよね。
 紅白に備えて、十二月半ばから他の仕事やゴルフも控えたりで前日には絶好調。当日の練習も最高とうなずけるのに、本番の九時過ぎまでもたないんですから。胃がキリキリしてくるんです。最多出場を意識して、何かいいとこ見せなければという気持ちが高じてくるんでしょうか。
 彼のステージは、ディナーショー、音楽鑑賞団体のショー、ナイトクラブと、ほとんどが長丁場のもの。彼自身もスロー・スターターだから、そちらのほうが向いているのかも知れないし、また音合わせが終わってから、待たなければいけないワンモーメント芸は得意じゃないと言う。
 「吉田正先生もよく愚痴るんですけど、�爐�まえは、自分で足かせを課しているんではないか、なんで一曲だけにしぼるとうまく歌えないんだろうか�瓩函△茲�言われてますよ」
 彼の紅白の同年代といえば、先輩格では春日八郎、三橋美智也で、同年輩では村田英雄、三波春夫、アイ・ジョージなどだが、彼らが第一線で活躍していたころと時代はめまぐるしく変わっている。ニューミュージック、ポップス系のヤング受けする曲の波が押し寄せてきていることは今に始まったことではない。
 その中で、彼が十年以上前に出した「大阪ロマン」のB面に入れた「おまえに」が返り咲いているのだ。とても十年前のものとは思えない新鮮なフレーズで女心をゆすぶらせた。時を待ってヒットしてくるには、いい歌だからというだけではないだろう。彼の魅力をこの時代が欲していたとも言えるのではないか。
 「あれは、おととしでしたか、ツイストとか原田真二の曲を聴いたんですけど、とっても新鮮で楽しかったね。リハーサルのとき、自分のレパートリーとは関係なく、興味深く、ただ聴きほれ見ほれました。ソリストばかりじゃなくグループというのも楽しいですね。それに他の歌い手さんの歌詞の中で、好きなフレーズを見つけると、自分のものにならないかなと思うときもありますね」
 時の流れを意に介さず、どちらかというと楽しんでもいるようすには、自信と余裕があり、何よりもまして歌を愛していることを感じさせる。
 来年、所属のビクター音楽芸能では、フランク永井歌手生活二十五周年記念として、記念リサイタルを予定している。
 「これからもレコードは良い作品を積み上げていきたいと思うんですが、リサイタルとなると一週間前からの神経性胃炎を覚悟します。どうも変な話ですが、いつも頭痛薬を飲むと安心する癖があるんですよ。高ぶるようじゃまだ末熱なんですね」と、少しもおごるところがない。昨年十月「グラスの永」を出し、この曲を今後いいコンディションで意欲的にうたい続けていきたいと言う。
 「ここ三〜四年紅白で僕の緊張感をやわらけてくれるものがあるんです。それは女性軍の衣装。男性軍も負けじと郷ひろみさんとか沢田研二さん、すごいでしょ。ホント、楽しみですね」。温厚な人柄は、歌のイメージとともに彼の財産である。
 「紅白出場はこれからも現役として長く続けたいし、またそこで僕自身最高の歌をうたうのが目標。僕の歌は、おとなの方が喜んでくれる歌。だから僕の歌でおとなの人をレコード店に走らせるのが念願ですね」
 淡々とこう語る被の表情には、歌への限りない愛が感じられ、そのやさしい眼には、静かに燃えるような手ごたえがあった。
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