mixiユーザー(id:2399973)

2021年06月04日16:00

150 view

「猿楽町で会いましょう」〜令和グダグダ恋愛のゆくえ

児山隆監督長編デビュー作品。渋谷近くの猿楽町に住む、売れないカメラマンの小山田(金子大地)は、おこぼれ的にもらった撮影の仕事を通じて読者モデルのユカ(石川瑠華)と出会う。やがてふたりの距離は近まり…ああ、これは男女のグダグダ恋愛模様に広告ギョーカイの裏側を絡め、令和の若者事情を照射した小品かと思いきや…。

いや、その形容はけっして間違いではないのだけれど、第二章に進むあたりから物語がグッと重層的になり、登場人物各々がまるで化学反応を起こしたかのように機能し始める。観る側はここで、おっ、これはひと筋縄ではいかない作品かもなと思わず身を乗り出し、気持ちがスクリーンに吸い寄せられてしまう。

出演者によく知られた名前があまり見当たらないことが物語にリアリティをもたらし、ふつうであれば観る側はユカに振り回される小山田のほうに感情移入するだろうけど、そんなに単純なキャラ設定でもない。けっしてさわやかとはいえず、苦味をふくんだ結末。後味として残るのは広告業界の生々しいいやらしさ、そして…。

「花束みたいな恋をした」「街の上で」…ことしの日本映画は、東京の街を舞台にした、日常的な等身大の若者の恋愛模様を描いた作品が、いつになく印象に残っているような。焼肉を囲んで喋り倒す、缶ビールをあおりながら街路をさまよう…おそらくこれはごくごくふつうの日常が奪われたコロナ禍のせいなのかもと思った次第です。

27 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2021年06月>
日 月 火 水 木 金 土
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930