いきなり豪華絢爛まばゆいばかりの衣装に身を包んだ女性たちがしずしずと花道を歩んでくる。ツカミはOK。主演《春日局》松下由樹の腰の据った演技はハンパでなく、たいする《江与》涼風真世の語り口はどうしても宝塚調に思えてくる。そして近藤正臣以下男優陣はどうころんでも文字通りの脇役だ。「大奥 第一章 〈舞台版〉」、将軍家における乳母と実母、熱き女の戦い。
チラシ・ポスターにも「原案 フジテレビ系ドラマより」とただし書きがあるくらい、あくまで人気ドラマの「大奥」をベースにしたもの。一話たりとも見ていないこちらとしては(それでもそのブームっぽい現象だけはなんとなく知っていたのだから、そこがやっぱりテレビのスゴいところかも)多少ついていけない部分がなきにしもあらず。
いきなドラマ主題歌〜愛と欲望の日々byサザンオールスターズ〜が流れたときは「なんでまたサザン!?」とビックリしたし、ギャグっぽいセリフで客席が異様に反応したときも、はは〜ん、これはたぶんドラマ内のおきまりのフレーズかなと思ったり。実際ドラマの映像を随所に織りこんだり、さながら高視聴率御礼公演のようでありました。
歴史物・時代物にまったくうとく、マゲものの“基本のき”すらおぼつかないこちらとしては、将軍家ならではのセリフのやりとりをじっくり味わうところまでにはなかなかいかなかったのですが、舞台用のものでなく京都の職人さんたちが丹精こめて作ったという本物の豪華な衣装を見ているだけでお腹いっぱい、どっぷりと浸った3時間でした。
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