舞台は米テキサス州西部。宝くじに当選し巨額の富を得るも、酒に溺れる日々を繰り返したせいでほぼホームレス状態となったシングルマザーのレスリー。すがる思いで訪ねた息子や旧友たちからも愛想をつかされ、行き場をなくした彼女に唯一温かい言葉を差し伸べたのが、安モーテルを切り盛りする中年男性のスウィーニーだった…。
ただ物語は思ったほどスムースに進まない。スウィーニーが手を尽くしてレスリーの面倒を見ても彼女はあいかわらず彼女のまま。ひょっとしたら自堕落のまま終わってしまうのではと危惧するほど観る側は焦らされ、さらに片田舎の小さな町という環境が閉塞感を加味。まあ最後には焦らされたぶんだけ…ということなのだけど。
レスリー役のアンドレア・ライズボローはアカデミー賞主演女優賞にノミネート。作品そのものの手触りはオスカーの匂いがあまりしないので、彼女迫真の演技がよっぽど突出していたということだろう。何度となく大写しになる、物思いにふけりながら微妙に変化する彼女の表情は、観る側の想像力をやたらと喚起させるような気がした。
スウィーニー役のマーク・マロン(「リスペクト」ジェリー・ウェクスラー役)や友人ナンシー役のアリソン・ジャネイ(「アイ、トーニャ…」母親役)など、脇役も存在感十分。物語は場内からすすり泣きが聞こえたほど感動的な着地を見せたのだけど、レスリーはずっとこのままでいられるだろうかというよこしまな気持ちもよぎりました。
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