開館50周年記念特別展。香炉園の静かな住宅地を抜けて芦屋市に踏み入る少し手前。半世紀の時を刻む館内は昭和の建造物特有の匂い。ここでの匂いとは空間がもたらす雰囲気のことではなく、嗅覚を刺激するまさに懐かしい香りのこと。休日にもかかわらず入館者よりスタッフのほうが圧倒的に多く、ヘンに気を遣ってしまった。
1972年時点における関西を中心とした現代美術作品が集結、まずは当時の社会・世相をなぞるところから始まり(さまざまな事象がことし50年目だったと知る)、当時の関西アートシーンを牽引した《具体》ムーブメントの総括、そして横尾忠則から池田満寿夫へとつながる気鋭のアーティストたちの躍進ぶりを追っていく。
“半世紀後の未来予想図”みたいな作品と対峙し、いろいろツッコミを入れてやろうかと期待していたこちらもノーテンキだったけど、全体的に晴れやかで色彩感覚にあふれる作品よりも、どちらかといえばどこか翳りがあってダウナーなものが多かったような印象。これもやっぱり1972年という時代が反映したものだろうか。
昭和元禄のサイケデリックな雰囲気、そして日本全体が浮かれた大阪万博が終わり、オイルショックがもたらした不況により内向的な時代へ進んでいたころ、80‘sのキラキラしたムードはもちろんまだまだ先という、当時の空気が演出した興味深い作品の数々。会期は12月11日まで、1972年生まれのかたは入館無料とのことです。
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