交通事故で臨死状態となったたまえ(のん)は、そのまま天界に逝くのか、それとも現世に蘇るのか、生死決断の猶予環境というべき天間荘に連れてこられる。陽光きらめく海辺の和風旅館を切り盛りしていたのは長女のぞみ(大島優子)、さらにそこにはイルカのトレーナーとして水族館で働く次女かなえ(門脇麦)も同居していた…。
ふたりの姉からはもちろんのこと、三姉妹の母親で大女将の恵子(寺島しのぶ)や、宿泊客のひとり財前(三田佳子)等からいくつかの死生観が呈示され、たまえの気持ちは揺れる。それと同時にかっては大きな震災と津波に遭った漁師町・三ッ瀬の住民すべてに、ある共通した想いがあることを彼女は少しずつ理解していく。
こんなことを言うと身もふたもなく、高橋ツトムの原作コミック全否定かもしれないので、超常現象が苦手な人間の戯言と思っていただいていいのだが、何も人の生き死にを絡めなくても、ふつうにひとりの若き女性が、旅館での人間関係とイルカ調教の難しさをポジティブに乗り越えていくという物語だけでもよかったのでは。
自然の美しさをとらえたシーンにくらべて、ファンタジックなパートがちょっとチャチに感じたこともその一因。そして“東北地方海岸の町で水と戯れるのん”という彼女のパブリックなイメージにおもねすぎたのではと思ったりも。あとやっぱり本編150分は長かったかなと、ここがクライマックスとジャッジしたあともしばらく続いたので。
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