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2022年10月21日16:30

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「アフター・ヤン」〜近未来アジア的静謐

近未来はAIロボットも家族の一員。中国茶葉のお店を営むジェイク(コリン・ファレル)と妻のカイラは幼き中国人養女ミカを迎え入れ、“テクノ”と呼ばれるロボット・ヤンと暮らしている。監督・脚本は韓国生まれのコゴナダ(〜名前の由来が興味深い)、主題歌は坂本龍一、全編流れる音楽にアスカ・マツミヤという東洋包囲網的作品。

ミカが兄のように慕っていたヤンがある日突然動かなくなる。落ちこむ娘の気持ちを思いはかったジェイクは、ヤンをもとの身体に戻すべくテクノ修理を求めさまよう。とりあえずヤンの脳内記憶を再生する手段は確保、そこに映っていたのは思わぬ女性の存在、そしてヤンのジェイクたち家族にたいするかけがえのない想いだった…。

クールという表現以上にどこか妖気さえ漂う全体の質感。アスカ・マツミヤの調べも随所で効果的ながら、それ以上にすべては静謐のなかという印象のほうが先行する。登場人物は誰もみな抑圧されたまま、けっして感情的になることはなく、その背景には悠久の時を重ねる中国の文化や思想、先人の教えが横たわっているかのよう。

少しずつゆっくりと謎解きをする心地よさがあるものの、誰もが納得する結末が用意されているかというとそれは微妙。アジア的静謐が続く作風のせいか、小津安二郎作品が引用されたりしているけど、日本人たるこちらとしてはちょっと解らないまま。意外な小林武史楽曲が物語のキーになっていたのにはビックリしました。
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