生まれつき左の頬に大きなアザのある理系大学院生のアイコ(松井玲奈(元SKE48))は、小学生のときからかわれたことがトラウマとなり、ずっと引っ込み思案な性格のまま過ごしてきた。ある日彼女のもとにハンデを持つひとを対象とした取材があり、やがてその本はヒット、映画化にまで話は進み、彼女は監督の逢太(中島歩)と出会う…。
アザにたいする結論づけや、アイコと逢太の関係性など、ツッコミどころはいくつかあるものの、松井玲奈のみずみずしさがすべてを覆してしまう。どうしようもなく控えめで融通の効かなかった堅物のアイコが、ひとりの男性と出会ったことで気持ちが少しずつほぐれていく感じを巧く表現、楽しみな女優がまたひとりといった印象。
これまでちょくちょく顔をのぞかせていた相手役の中島歩はようやく本領発揮というところ。すでに30歳を過ぎていたからビックリ、ポスト伊勢谷友介的ポジションか。そして藤井美菜、デビュー作「シムソンズ」の初々しさを知るものには驚きの姐御肌全開。韓国で活躍とか、そういえばキム・ギドク「人間の時間」に出ていたな。
原作は島本理生の恋愛小説、脚本は「アルプススタンドのはしの方」の城定貞夫。肝心の監督はこれが2作目となる安川有果。カメラアングルやカット割、ライティングに音楽、セリフとセリフのあいだの微妙な間に至るまで、女性監督らしい繊細さにあふれていて、観終わったあと誰もが清々しい気持ちになれる作品だと思います。
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