推しアイドルを追っかけるUber配達員、ブレイクできないのは自身の外見のせいだと思いこむ路上フォーク女子、FBに5000の友人がいながらリアルな友人はひとりもいない理系男子…東京の街で日々もがく令和の時代の若者13人。三浦透子とゆりやんレトリィバァ以外はあまり名の知れた俳優はいないのでリアリティは十分保証。
これまでCMやMVを撮ってきた丸山健志の初メガホン。監督というより映像作家という形容がふさわしい存在だけにすべてがスタイリッシュ。色彩と光線の効果なのか東京の街もどこか異国の味わい…そう、作品全体がまとう空気は日本映画というよりアジア映画、つまり香港や台湾などの新進クリエイター作品と同じような匂い。
いきなり若者13人となると最初のうちはとまどうが、時間の経過とともに微妙な絡まりもあったりして、観る側は少しずつ感情移入できるように工夫されている。並行的に描かれた各々がいかに収斂していくのか、着地の切れ味に唸らされるのが群像劇の醍醐味ながら、意外とあっさりしていたのは、いかにもイマの時代ということか。
極端な貧困、性的マイノリティや身体的障害を抱えた存在はいっさい出てこず、性格に多少問題あるも13人みな都会に生きる若者、なんだか生きづらい世の中になってしまったなあと思ういっぽう、根源的な人間の苦しみや悩みというのはいつの時代も同じかと、パッと見のオシャレ感に反していろいろ考えさせられた作品でした。
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