歴史の授業では生徒たちにイジられ、家族とも常にギクシャク、さえない日々が続く“中年クライシス“まっただなかの高校教師マーティン(マッツ・ミケルセン)。血中アルコール濃度を常に0.05%に保つと、自信とやる気にあふれ人生に前向きになるという理論を検証すべく、同僚中年男性教師3人とともに自らを実験台にする…。
舞台となるデンマークは16歳で飲酒OKというのがこの物語の大前提、なので教師と生徒の間できのうどれだけ飲んだというやりとりは日常的。人体実験は進み、教師各人に良き変化が兆すものの、やがては制御不能となり、はたして作り手は酒を肯定しているのか、それとも否定しているのかという疑問が観る側にじわりと生じてくる。
男たち4人の会話部分はいかにも教師らしく、理屈っぽく多少冗長かと感じつつも、味わいあふれるもの。テーブルに並べたグラスに氷を放り込み、ボトルからは一気にお酒が注ぎこまれ…このシーンが来るたびにカメラは急に動きを早め、多少ブレたりしながらグラスに近づいていく。アップになった琥珀色の液体の実に美味そうなこと。
単なる酔っぱらい集団のハチャメチャ物語ではなく、もちろんアル中克服譚でもない。終盤にはかなり重たい空気となりながらも、それとは真逆のやたらハジけたエンディング。結局当初の疑問は最後まで解決しないのかも。いかにも北欧作品らしい抑制の効いたユーモアが印象的、苦味も混じったコクのある一杯というところでした。
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