身体の自由が効かなくなり、自ら安楽死を選ぶことを決意したリリー(スーザン・サランドン)は、最後のひとときをともに過ごすべく、夫(サム・ニール)と暮らす海辺の邸宅に家族を呼ぶ。リリーの意志受け入れには各人に温度差があり、やがてそれが火種となって…。監督は「ノッティングヒルの恋人」のロジャー・ミッシェル。
デンマーク映画のリメイク。ただ限られた空間と時間のなかでの白熱した丁々発止のやりとりはまるで舞台劇のよう。リリー若き日のカルチャー体験や次女アンナの恋愛事情、孫ジョナサン君のラップ(あのパフォーマンスが日常的なものであれば興味深い!)まで、集まった3世代それぞれの時代背景が見え隠れするのが面白い。
とはいえ楽しげに時が過ぎる海辺での宴も、誰かのひとことがリリーの置かれているシリアスな状況に不本意にも触れたとたん、場の空気は一瞬で凍りつき、その後はカドのある言葉のやりとりが積み重なっていく。やがていままで隠されていた秘密がいくつか明るみになり、家族それぞれがやりきれない気持ちでそれらを共有する。
安楽死の是非はこの作品において大きなテーマ、ただ今回はその手前に存在する家族のありかたのほうに比重が置かれた印象。そういえば現在公開中の邦画「いのちの停車場」も、物語の最後に問われたテーマが安楽死。両作品ともに、最期のときを迎えたひとが水辺にて過ごしていたのは単なる偶然なのだろうかと思った次第です。
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