父親が事業に失敗したため、10代女子オクジュは、弟のドンジュとともに祖父の家に引っ越すことに。まだまだ無邪気なドンジュにくらべ、大人の入口がちらちら見えてきたオクジュにとっては、ささいなことにも過敏になる夏休みの日々。やがて夫との諍いから逃げてきた叔母も同居、オクジュはさらに世の中と対峙することに。
母親の不在という一点が物語の興味をずっとつないでいくのと、祖父の家屋がけっこう大きめかなとは思うものの、ここで描かれる韓国の家族は、半地下に住んでいるわけでもなく、大草原に暮らしているわけでもないごくごくふつうの一家。そしてヘンな表現ながら“わざわざ映画にするほどでもない”オクジュたちの真夏の日々が過ぎて行く。
そう、夏休みなんていろいろありそうで、案外何もない日々が続くもの、そしてそれが最高の贅沢と幸せだと気がつくのは大人になってから。物語の最後にはそれなりのヤマ場が待っていて、なるほど9月が来たら精神的にグッと成長して登校してくる生徒ってよくいるけど、きっとオクジュはそんな女の子なんだろうなと確信してしまう。
OP&EDテーマをはじめ、劇中で流れる音楽も凡庸に聴こえるものばかり、ごくごくふつうの家族の日常を描いているとはいえ、家屋の間取りやちょっとした礼儀作法などは我々のそれらと微妙に違い、このささいな差異を味わえる楽しみは、欧米のひとたちにはけっしてわからない我々日本人だけの特権かな、なんてことを思いました。
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