フィンランドの小さな村で地元民相手に食堂を営むシルカ。ある日のこと、男の子を連れた中国人男性がお店に飛び込んでくる。彼は恩人を探すためにはるばる上海からやって来たという料理人チェン。やがて彼が作る料理が評判となり、シルカの食堂は観光客が立ち寄る定番スポットにまで繁盛するが…。監督はミカ・カウリスマキ。
まずはチェン(チュー・パク・ホン)の人物設定に興味が湧く。真面目さと優しさそして少しの厳しさが混じる北欧目線の東洋人像、村上春樹がちょっと入っているような顔つき。生真面目な感触と人の優しさはこの作品での一貫したスタンス、そのあたりがシニカルなユーモアに満ちた弟アキ・カウリスマキ作品との違いかなと思う。
後半はフィンランド人の目を通した中国文化の味わい、みたいな部分に比重がおかれる。物語全体を引っ張ってきた謎解き、つまりチェンの過去に関する部分はやや軽視されて、ちょっと肩透かし感がないわけではない。それはゴチャゴチャ細かいこと言わんとこの豊かな大地に身を委ねておけという作り手のメッセージなのかもしれない。
タイトルはいささか大げさとは思うけど、広大なラップランドでいただく中国料理というのは、たしかに世界で有数の贅沢な組み合わせかも。そしてふだん見慣れている中華メニューもどこか神秘的に思えてくるから不思議。まあ対比すべく初めのほうに映し出される、ソーセージとマッシュポテトの北欧料理もけっこう美味いんやけどね。
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