前々回の続きのようなもので、映画の話。しかも渡哲也主演のヤクザ映画シリーズのことなので、任意にパスしていっこうにかまわない話。
「殺せ(バラせ)」は、無頼シリーズの第6弾とのこと。例によって、今は女優界の重鎮でもある松原智恵子が初々しく登場する。ストーリィは特に紹介しても仕方ないので触れない。が、一時期西部劇映画の亜流というか変形というかで、マカロニ・ウエスタンというのがあった。テーマは勧善懲悪に近いのだが、とにかくドライ。それだけに、残忍なシーン、むごいシーンが遠慮なく登場する。
それに勝るとも劣らないのが日本のヤクザ映画だ。映画会社によって、やや傾向が異なるようだが、殺しのシーンはすざまじい。これは、きれいごとばかりが横臥する「現在」ではムリ。よくぞ、当時ここまで描いたものだと、妙に感心。主人公はどっぷりとその世界に漬かり、抗争で何人ものヤクザをバラしてきた。だが、映画でのスジは、若いものがその世界に足を突っ込み、鉄砲玉で犠牲になるのを嫌う。まっとうな社会で長生きしてほしいと望む(が、たいていは「アニキ!」と渡を慕いながらバラされていく)。
自分を世話した先輩や少しでも恩義を感じるものには、身体を張って恩に挑むという正義(どこが!?)漢。初心な松原智恵子が好きになるような。。。
映画後半で、義理を貫き、先輩をバラした抗争相手の汚いボスらをバラす。この山場のシーンにかぶさるのが、主題の麻生レミが歌う「君恋し」。実はこのシーンは十数年前にYouTubeを観て知っていた。フランク永井の歌った楽曲を追っていたときに発見したものだ。麻生レミは存じ上げないが、ロック歌手で、内田裕也とも組んで活躍していたとも聞く。
映画では、バラされるヤクザのボスがディスコのようなところに行く。激しくウルさいバンドが耳障りで、店のオーナーに「懐メロをやれ」と命じる。そこで、ロック風の「君恋し」が歌われるという設定だ。
映画挿入歌として、この場面で「君恋し」というのは、私には理解に苦しむが、製作サイドにはちゃんとした設定があったのかもしれない。
麻生は日活映画の挿入歌に相当関与していたようで、その後CDアルバムを出している。
さて、今回話題として取り上げたのは、前回と同様映画でお世話になったWさんから、無頼シリーズのすべてを見せていただいたことによる。大変感謝を表したい。ご存知のように、日活も東映もヤクザ・任侠映画の全盛を築いたが、時代の流れとともに終りを迎えた。人気を博した主人公を演じた渡哲也は、石原裕次郎の西部警察シリーズとかに足場を移動していく。
その渡が2011年、TBSシアターで「帰郷」に主演している。流れで、この映像もWさんに紹介されて鑑賞した。
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