フランスの経済学者、トマ・ピケティのベストセラー作品を映画化したドキュメンタリー。メイン・インタビュイーとしてトマ自身が登場、他にも多くの個性的な欧米の経済学者や心理学者が、21世紀に入ってますます拡大する貧富の差、世界全体を覆う格差社会に関して自説を語っていく。フランス=ニュージーランド合作。
これほどまでの格差社会の出現は、第一次世界大戦以前、すなわちほぼ1世紀ぶりのことだという前提から、この100年間の世界経済と社会のありかたを、あくまで欧米主観ながら時系列にたどる。”富全体のxx%をわずかx%のひとが所有している”という、格差社会を端的に表現するおなじみのフレーズが何度となく引用される。
ポップな映像表現や小気味のいい編集が効果的、NHKやBBC制作によるドキュメンタリーほど生真面目でもなく、かと言ってマイケル・ムーア作品群ほどはフザケていない。それぞれの時代を舞台にした過去の映画作品の一場面を引用、登場人物が的確なセリフを吐くのが面白い。どんな作品が登場するかは観てのお楽しみということで。
どちらにしても今回のコロナ禍によって格差はさらに拡大すること確実。閉塞感あふれる現実の日々を、映画によってつかの間忘れたいというひとには、おそらく逆効果の作品。ただ、いまこの時にこれまでの、つまりプレ・コロナ期100年間の世界経済と社会のありようを振り返っておこうと思うひとには絶好の機会になると思います。
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