三船浩はフランク永井がデビューした翌年の1956(S31)にキングレコードからデビューした。その圧倒的な音量の低音と凄まじいほどの音圧を持つ歌唱で、フランク永井と並んで低音歌手として人気を博した。2005年に惜しまれ75歳で死去した。
三船浩はNHKのど自慢出身でもある。「男のブルース」でデビューしたが、代表的な曲はやはりこの曲と私的な好みだが「夜霧の滑走路」「男の酒場」「東京だより」といったところだろうか。
三船の声質は実にユニークで、鋼鉄の歌声と言われた春日八郎と並ぶのではないか。フランク永井の場合はいわゆるクルーナー歌唱などと言われる、ささやきかける、語りかけるソフトなものだが、三船のはその逆。強烈な音量のある低音だ。
当時、低音歌手といえば、魅惑の低音というキャッチをほしいままにしたフランク永井だが、御三家とか名付けたがるマスコミは、低音〇人男という呼び名をつけて、石原裕次郎や神戸一郎や水原弘を組み合わせていた。そこに三船浩も入る。低音歌手としては、フランク永井と水原弘と三船浩というくくりが多かったように思う。
面白いもので、当たり前のことだけど、それぞれが特色を持っていて、魅力の色合いが異なる。一歩リードしたフランク永井は「夜霧の…」というのを、何か低音歌手、男の歌手、ムード歌手の流れをつくった。その後雨後の筍ではないが、つぎつぎと競争するように「夜霧の…」が作られていく。
ビクターのフランク永井に独占されてたまるか、飛び越して見せると各社競争したのだが、ついには超えられなかった。
それはそれとして、この三船がフランク永井のカバーに挑戦している。キングは「懐かしのヒット曲を歌う」ということで、三船に歌わせた。それが1971年発売した「人生の並木路〜三船浩懐かしのヒット曲を歌う」というLP。タイトルになった「人生の並木路」を含む14曲が収録されている。
このLPで「有楽町で逢いましょう」と「君恋し」が入っている。「夜霧のブルース」「無情の夢」「星影の小径」「泪の乾杯」はフランク永井もカバーしている。この時期までに絶えずに人気を保ってきた名曲ばかりである。
三船の声質と歌唱は共通なので、どう歌われたかはほぼ予想がつくかもしれないが、三船なりの曲の消化をしてできたアルバムだ。
これは、1980年ごろのCDか時代を迎えて、さまざまな形でデジタル化復刻盤に収められている。キングのムード歌謡版に入っている。不確かだが、今年の夏ごろにもまた出されるとのうわさも。
フランク永井の歌った名曲が、他の人気歌手にどう歌われているのかについて、私的に興味をもって覚えて得いる限り紹介してきた。三船のものはその一つ。
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