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2019年08月02日17:15

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「風をつかまえた少年」〜14歳が引き寄せた未来

アフリカ最貧国のひとつ、マラウイの小さな村に暮らす14歳の少年ウィリアム。彼は独学で風力発電のしくみを学び、風車を完成させることによって村を干ばつの危機から救う。ベストセラー・ノンフィクション作品の映画化は、「それでも夜は明ける」でオスカー主演男優賞にノミネートされたキウェテル・イジョフォー初監督作品。ウィリアムの父親役として彼自身も出演。

村民にとっての貴重品のひとつ、ボロボロのラジカセから当時の世界的大事件が聞こえてくることがなければ、この実話はいったいいつごろのことなのか、さっぱりわからないまま終わることになるかと思う。おそらくイジョフォー監督は、ウィリアムの奇跡的な業績よりも、まずはマラウイの厳しい現実を世界に伝えるというアプローチに徹したような気がする。

なので文部科学省選定作品・東京都推奨映画という肩書の通り、中高生の団体鑑賞会なんかにうってつけの、まことに優等生的な作品となった感がある。暴力や性描写はいっさい出てこないし(まあビンタやキスぐらいはあるけど)、多少の敵対関係はあるものの、とんでもない悪人が出てくるわけでもない。そして深読みや裏読みはまったく拒否されているような印象がある。

貧困と自然災害を抱えた厳しい状況にもかかわらず、ウィリアムの前向きに生きる姿勢と明るさが、作品から重苦しさをいっさい排除している。あまりの真っ当な作りがゆえに、民族衣装の微妙な色合いの妙や、ネクタイすがたの男性陣の独特の色使いなどに興味を抱いてしまうのは、こちら恵まれた豊かな国の人間のヒネくれた重箱の隅つつきかも、なんてことを思いました。

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