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2019年07月20日13:51

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「フランク永井魅惑の低音のすべて」を書籍で紹介してくださった方が!

 フランク永井の残した曲についての「すべて」を編纂した筆者のデータブック「フランク永井・魅惑の低音のすべて」(2010年刊)について、書籍で紹介してくださった方がおられる。
 その書籍「古稀=四重奏」(柳澤通博著、2019年5月、木鶏書房刊)である。写真にあるように、データブックについて紹介してくださった。すぐに著者の柳澤さんにお会いしてお礼を申し上げ、あわせてフランク永井についての談義をさせていただいた。ここでもあらためて感謝を申し上げます。
 著書内でも書かれているのが、氏はフランク永井の昔からの大ファンで、私と同様の動機から、自ら「フランク永井大全集」に値するデータ一覧と、所有のレコード音源からテープを作った方。ところが、さすがに若干盤がなくて欠損がでる。それでも、誰もが成しえない当時の大全集には違いない。
 機会があって、当時ご健在のフランク永井に直接話したら、気安く「そこは私が埋めてあげるよ」と。ところが、そこで思わぬ報道が入る。1985年のあの事故報道だ。氏は衝撃を受けて、そのプランは棚上げ。
 その後、今回の書籍「古稀=四重奏」の執筆の過程での調査時にデータブックの存在を知り、写真のような記載にいったったとのこと。
 この書籍は氏の人生と想いが込められたもの。どの箇所を読んでもいったん当てた焦点をぐいぐいと絞り込んでいく。お会いしていろいろとお話を伺ってもその姿勢は一貫していた。フランク永井だけではない。日活の看板スターであった裕次郎や旭や赤木圭一郎の話。レコードもそろえている。映画の話などは、強引に切り上げないと何時間でも終えないと思われた。私もひと時は年間500本観たのを思い出す。
 フランク永井については、活躍当時リアルタイムで生活に入り組んでいたことがわかる。互いに盛り上がったのは、フランク永井の不世出の歌唱について。それを証明したものとして挙げたのが1966年の第2回リサイタル「慕情」と、1969年の「旅情」という2枚のLP。
 フランク永井がただの歌手でないことを、世にガツンと衝撃を与えた歌だ。前者は恩師吉田正の曲で詞は岩谷時子。2回目のリサイタルのために特別企画した長編歌謡で、およそ20分の歌唱だ。私は当然リサイタルにはいっていないが、それを聴いた観衆が静まり返り、かつてないほどの感動を受けただろうことは想像できる。終了後の観衆の拍手はいつもとはまるで違っていたであろう。
 たんたんと情景を歌う。それが観衆の胸に直に伝わる。それを再現するように、後者は昭和44年度の芸術祭参加作品として、筒美京平と橋本淳のユニットと組んで実現したもの。人気の実力派筒美のセンスがフランク永井のもつパワーを全開させる。このLPに収められた全曲が一つの情景を形作っている。
 「慕情」は異例の長い曲だけに、このリサイタル後に歌われた記録はない。後年吉田正全集に入っただけだったが、MEG-CDからリサイタル盤は復刻した。これはやはりフランク永井の大ファンでいくつかカバーも出しているささきいさおが「雪の慕情」にした。だが、これは通常の歌謡曲の3分版にしたも。
 「旅情」は筒美京平作品であることからかどうかはよく分からないが、盤の入手は今も困難だ。
 二人の対談で共通したことの一つは、フランク永井の残した遺産をきっちりと記録に残そうということだった。楽曲は完全なデジタル化がまだ少し残っている。これを完成させたい。さらに、フランク永井に関するエピソードも知りえる限り、何らかの形で残そうということ。
 フランク永井の完全な、いやせめて正式にビクターからリリースされた作品だけのものであっても、大全集はありそうでまだない。60周年を記念してA面の全集が組まれたのが最後。これも貴重な初出の音源が多かったのだが、なぜその機会にA面だけにしたのかの疑念は残る。
 氏が書籍で指摘しているように、裕次郎のカラオケ音源が350曲あり、舟木一夫は90曲ある。それに対し偉大なるフランク永井の音源が50曲程度というのは、いかなることかと。レコード会社は後年演奏とボーカルは別取りしているから、あるはずなのにないのは怠慢なのか、何かプライオリティを低くする理由があるのかと私も思う。
 フランク永井歌コンクールにおいても、演奏曲の少なさは毎回のように話題にのぼる。ぜひともいい方向に向かって欲しいものである。
 ということで、氏の貴重な書籍(「古稀=四重奏」の案内)を読んであらためて感じた次第である。
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