英国労働者階級出身の青年が27歳の若さでジバンシーのデザイナーに大抜擢〜奇才アレキサンダー・マックイーン40年の短い人生を追ったドキュメンタリー。モード好きにとってそれは彼の才能の一片にすぎないかもしれないけど、音楽好きにとって一番なじみがある彼の作品といえば、デヴィッド・ボウイ「アースリング」ジャケでのユニオンジャック柄コートかなと。
関係者のインタビューをはさみながら資料映像を巧みに織りまぜていくという、ドキュメンタリーとしてはオーソドックスなつくり。やっぱりここはマイケル・ナイマンの美しい調べを味わいながら、奇抜な彼の作品の数々や意表をついた演出が続くショーの様子を楽しむのが一番かも。それにしてもどうやったらあそこまでユニークな発想が生まれてくるのだろうと。
【ここからはちょっと個人的なことになるけど、かって繊維関係の商社で欧州紳士物輸入の仕事にたずさわっていた私は、当時ジバンシーも取引先のひとつ、欧州出張のさいはかならずパリの本社オフィスを訪れていた。ただその用件は後ろ向きな事務的処理ばかり、アポイント当日は朝から憂鬱でしかたなく、いま思いだしても気が重くなってくる。
今回の主人公がジバンシーに抜擢されたのがちょうどそのころ、ロンドンのサヴィル・ロウで修業した男ということで、紳士物の業界ではけっこう話題になったことはいまでもよく記憶している。彼とオフィスですれ違うなんてことはいっさいなかったけど、今回の作品のなかでも何度かオフィス内外の様子が映し出され、やや苦くも懐かしい気分になりました】
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