捕虜となった息子を救出するため、女性武装部隊「太陽の女たち」(=原題)のリーダーとなってISと戦ったクルド人女性バハールの物語。彼女の存在そのものはフィクションのようだけど、エヴァ・ウッソン監督は実際にクルド人自治区で女性部隊からの取材を敢行。ほんの数年前の出来事がベースなので、戦場といえどもスマートフォンやPCがキーアイテムとして何度も登場。
冒頭とエンディングで存在感をしめす、フランス人女性ジャーナリスト(エマニュエル・ベルコ〜実在の記者ふたりの“合わせキャラ”とか)の目をとおして描いていくのかと当初は思ったけど、それはさほど絶対的なものではなく、やはり意志の強さが美しさとなってあふれているバハールの、風と砂と血と汗と涙、緊張感あふれる戦場での勇敢な行動がここではすべて。
そのバハール役にはイラン出身ゴルシフテ・フェラハニ。一昨年のジム・ジャームッシュ「パターソン」でアダム・ドライバー演じる主人公パターソンの自由奔放な妻ローラ役だったひと。とても同じ女優が演じているとは思えない、あまりにも両極端なふたつの役柄。いやはや女優というのは大変な仕事だなと、この物語のシリアスな部分以上に感心してみたり。
現代のリアルな時事問題、やっぱり事前に敵対関係を予習しておいたほうがいいのと、時系列がけっこう前後するのでちょっとややこしく感じるかも。苦しみと悲しみのなかでも勇ましく戦う女性たち、いやここでは母親たちといったほうがいいのは、この物語一番のドラマチックなシーンと関係あり。とにかく強き女性たちの映画がまたひとつ誕生したという印象です。
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