現在開催中の甲子園100回記念大会に真正面から水を差す内容。そしてさらに取材を重ね、もっともっと水を差してほしいという思いを強くした読後感。各章立てをながめるかぎりは、すでに各メディアで報じられている問題点が多くあまり新鮮味はないけれど、その当事者に直接取材をすることによって、問題を深く掘り下げることには成功している。
とりあえずあえてひとつだけ特記。連投につぐ連投、甲子園大会での投げ込みがたたって肩・肘を壊し、その後の投手人生に過度な悪影響…などという問題が綴られている章のなかで、大会で燃焼しつくした選手のひとりとして、藤浪晋太郎の名前があがっているのがとても残念(なんと松坂の名前まである、斎藤佑樹はわからないこともない)。
プロ入り当初は順調なステップを歩んでいた春夏連覇の立役者である彼は、いま大きな壁にあたって伸び悩んでいると。甲子園ではさほど活躍しなかった同期・大谷のその後の活躍と比較していろいろ論じるのは簡単だけど、はたして大会での渾身の投球が、そのままストレートに藤浪の現状に影響しているのか、そこはちょっと強引にも感じた。
もちろん藤浪の件はごくごく一部。有名・無名各校の指導者による、教育者としての取り組みかたの違いみたいな部分がとりわけ面白かった。さて、これからの100年、この世界的にも見ても特異なスポーツイベントをどのように変革していくのか。まあとりあえずのところはこの書を片手に日々の熱戦に接すると、また違った角度から大会を味わえることだけは間違いなしです。
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