1977年ミネソタの少年ベンと1927年ニュージャージーの少女ローズ。半世紀の時をこえてふたりはそれぞれニューヨークへ旅立つ。ふたりに共通するのは聴覚に障害をもつこと(ローズ役の女の子は実際に聴覚障害者)。大都会特有の雰囲気にとまどいつつ、自然史博物館に侵入したふたりが見たものは…。「キャロル」の監督トッド・ヘインズが描くファンタジックな物語。
半世紀の差異をくっきりさせるため、1927年のシーンはすべてモノクロ。さらにサイレントに処理してあるのは耳の不自由なひとの世界という意味。物語はふたつの時代をけっこう短いスパンで行き来しながら進むので、観る側としては最後にはこれらがどう交錯して着地するのか、そのつながりが持つ切れ味〜カタルシスをぞんぶんに味わってやろうという気分になってくる。
たぶん勘のいいひとならある地点でそのつながりに気がつくはず。私は最後までわからなかったし、思っていたよりさりげない着地だったけど…。とにかく少年少女の目を通して見たそれぞれの時代のニューヨークが興味深い。やっぱりリアルタイムでなじみがある1977年のほうを面白く感じたけど、よくよく考えればそれすらもう40年以上も前のニューヨークになるんだけど。
あるロックの名曲(あえて曲名秘す〜チラシには大きく謳ってあったけど)が流れると聞いていたので興味津々。ところが本編に入りすぐ聴こえるも思っていたほどの存在感はなし。なぜこの曲をといぶかしく思ううち、エンドロールで流れたのはこの曲の“少年少女合唱隊バージョン”、エンディング近くの歌詞のリフレインでそうだったのか!とすべて納得、しみじみとした次第です。
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