新年の気分もさめやらぬ1月4日にプロ野球を楽しませたひとりである星野仙一が亡くなった。中日のエース。投手であることは多くの負けを経験する。勝ちもするが負けをどう受け止め考えるかでその選手の力量が変わる。星野は中日・阪神・楽天を強豪チームへ押し上げ「闘将」と評された。
星野といえばかどうかは分からないが、フランク永井との関係でいえば、彼が歌った「街の灯が揺れる」だ。この曲は当時はそれなりにヒットした。フランク永井は1982(S57)年の話題のアルバム「Woman」でカバーしている。重厚な歌唱はとうぜん星野のものとは異なり、オリジナルのような光を放っているので、ぜひ聴いてほしい一曲だ。
この「街の灯が揺れる」は、山口洋子作詞、曽根幸明作曲作品。その曽根幸明も昨年4月に他界した。曽根は「曽根幸明の昭和芸能放浪記」を出版している。彼の生きた時代が何も隠さず何も飾らず語られている。当時の芸能界の一面がなまなましい。
曽根は藤圭子に作った「圭子の夢は夜ひらく」で一躍脚光をあびた。歌謡界を目指す番組の審査員としても名をはせた。ビクターの歌手時代もありフランク永井ともカップリングしている。歌手時代の彼の名は藤田功。
数年前だがフランク永井関係のあるコンサートで、彼が車いすにのって特別室で静かにショーを見守っていたのが印象的だった。
別項で紹介したが、昨年「フランクの夢は夜ひらく」が再発見された。PONYによるオリジナル企画作品「夜のムード」(カセット)で出ていた一曲。
曽根幸明がフランク永井に提供した歌は、オリジナルでは「恋のロマネスク」「恋のさだめ」「女の盛り場」「しのび逢い」。
さて、プロ野球の名選手が関係した「レコード」だが、フランク永井の恩師吉田正が手掛けて出したのが、西鉄の名選手豊田泰光に歌わした「男のいる街」。これは当時「スポーツ界のレコーディング第一号」などと言われた。
くしくも豊田も一昨年の夏に亡くなっている。豊田は吉田正と同じ茨城県出身ということもあるが、歌はプロ級だった。当時の音源が残されているので聴いて確認してほしいが、本格的だ。その後吉田は江夏豊に「俺の歌」を歌わせている。
野球に限らないが、その後ちょっと業界で名が有名になると、周囲は誰かれなく、上手下手なく歌わせるのが流行る。とうぜんへったっぴでひんしゅくというケースもある。線引きができなくなった時代だから仕方ないのかもしれないが、技術や芸は人を感銘させるところにある。それを忘れては業界そのものの品をおとしめるのではなかろうか。
星野の訃報から曽根幸明、豊田泰光と飛んでしまったが、2018年少しでも明るい年になることを祈願して!
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