毎週木曜日、関根勤、長峰由紀司会で、今も歌い継がれる昭和歌謡のヒット曲をテーマ別にベストテンで紹介されるという人気番組。今回は第29回「フランク永井特集」ということで、どう展開されるのか期待をこめて観た。カバーゲストに、ささきいさお、増位山太志郎、葵と楓。葵と楓については不詳筆者は初めて拝見した。
番組によるベストテンのランク付けは、フランク永井を知るファンへのアンケートによるものとのことで、何人かのコメントも紹介されたが、やはりというか当然だが高齢者に寄っていた。そのベストテンをまず挙げると、下記の通りで、フランク永井の人気曲ということでは妥当な十曲。
1 有楽町で逢いましょう/2 君恋し/3 東京ナイトクラブ/4 おまえに
5 夜霧の第2国道/6 大阪ぐらし/7 公園の手品師/8 霧子のタンゴ
9 夜霧に消えたチャコ/10 こいさんのラブ・コール
大相撲出身の増位山は現役時代からの美声で人気曲をもっていた。近年に相撲協会を退職し今では歌手に専念している。ムード歌謡の分野で活躍中といったところだが、番組では「夜霧に消えたチャコ」「東京ナイトクラブ」を歌った。デュエットで青いと楓の二人が登場した。
フランク永井の番組では、いまは欠かせないというか登場回数が多いささきいさおは、正式に「おまえに」をカバーしているのだが、この番組でも披露。他に、今回はテレビ初で「公園の手品師」と「有楽町で逢いましょう」を歌ってみせた。
フランク永井が舞台から去った後、恩師吉田正はあの声をもう一度という期待と、フランク永井の闘病を励まし復帰を促す目的で、フランク永井のような歌い手を探した。現役歌手から歌手の周辺、そして無名の若手とか。そうした中で時期的にはささきいさおも吉田正に直接指導をうけながら「おまえに」を歌っている。
当然というか残念というかフランク永井のような歌い手は見つからなかったわけだが、それは仕方ないであろう。今回の番組の中ではフランク永井の歌唱は、映像も伴うものとしては「君恋し」が歌われた。これは日本レコード大賞を受けた時期の珍しい映像だが、この番組は基本的にレコードの音声を流す。そのわずかな本人の歌唱を聴いただけでも、他とは比較にならないことがうかがえる。
ささきいさおと増位山の合間の会話にもあったが、フランク永井の声の特徴が相当な独特だからだ。「キーが多くの人が思うより高い」「下方のバイオンが大変強いゆえに、聴く人には低音に聴こえる」「2オクターブほどを平気で使って歌っている」「低音で重く歌うのは楽なのだが、軽く歌うのはたいへん難しい」といった旨の話だ。
ささきいさおは低音で「銀河鉄道…」のようなパワフルな歌唱、歌い上げる歌唱で聴く人を惹きつけるのだが、語りかけるようなソフトで甘い歌唱、そして通る音声は確かに見つからない。実際に聴かない。
「君恋し」映像はフレッシュなものだったが、ときおりレコード音声にかぶせて使用された若きフランク永井のインタビュー映像(実際の声はない)も珍しい映像だった。
全体的になかなかよくまとまっていたと思う。おちょこでほろ酔いながら十分に楽しませていただいた。
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