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2016年11月12日16:07

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フランク永井「下松囃子(くだまつはやし)」の再発見。プライベート盤の再考

 まず、写真をみたい。左から「七〇年音頭」と「下松囃子」。いずれもフランク永井のレコード盤について筆者に情報を提供してくださるKさんのものだ。「このようなものがある、フランク永井・データブックにどれも記録がないよ」といって聴かせていただいた盤だ。いつも大変感謝するとともに、よくぞそのような珍盤をお持ちかと、おどろくばかりだ。
 「七〇年音頭」はフランク永井と二宮ゆき子のデュエット。タイトルから発想できるようにおそらく万博に向けて作られたものではないだろうか。「家の光選定」とある。ジャケットや盤には年の記載がない。PRB-8007。
 「下松囃子」は筆者もまったく知らなかった。PRB-5042で年記載はない。山口県下松市の観光局あるいは観光協会等からの依頼の盤と思える。片面は「下松音頭」で、曽根史郎と榎本美佐江のデュエット。「下松音頭」も「下松囃子」も下松市内の多くの地域のお祭りなどで、今も踊られているという。地域に生きている。
 盆踊りなどを意識していることから、盤への録音は限られた長さだけだが、歌詞の長さはおそらくシングル盤としては、最長ではないだろうか。通常流行歌では1〜3番というのが多いのだが、この民謡では9番まで(下松音頭は13番まで)歌詞票に記載がある。
 地域限定あるいは事業体、組織限定で依頼されて作られる盤はPRxの盤でプライベート盤と呼ばれる。有名なのは中央写真の「東北音頭」だ。これはフランク永井の出身である宮城県に本社を置く東北圏をカバーする新聞社「河北新報」の創刊25,000号を記念して作成された曲だ。
 ソノシート盤とともに大量に作られ実際に東北地方では祭りで歌われ踊られた。歌は近年橋幸夫が吹き込みなおしたりして話題を呼んだ。
 今年CD-BOX「懐かしのフランク永井〜A面シングル全集」に紹介されて目をひいた「瀬戸内海ブルース」(MV-1005)がある。瀬戸内海観光都市連盟推薦。それに「でっかい夢」(SV-569)。こちらは裏面が「道後の女(ひと)」で、メインをどこの地域にするか(?)でAB入れ替えた盤がでている。「中国と四国をむすぶ夢のかけ橋、尾道から今治へ」と。
 「ひがき音頭」「水上ブルース」というソノシート盤。政府登録国際観光旅館水上ひがきホテルと表記がある。これはさすがに盤IDや発行年がわからない。
 こうみてみると、フランク永井は歌がうまかっただけに、当時は各地から、各会社から、各団体からの依頼がそうとうにあったようだ。だが公表されている記録がないために、盆踊り用の民謡や、地域名がつくブルースをどれほど歌ったのかわからない。ファンの皆さんの所蔵や記憶で、貴重な情報を知るしかない。
 歌を聴いてみると、時代が描かれている。民謡もブルースも情緒がよく出ていていい。そして伴唱するビクター少年民謡会とかシンガースリーとか、立川澄人とか鈴木正夫とかの名も懐かしい。

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