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2016年06月06日16:15

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ポール・サイモン5年ぶりの新譜「ストレンジャー・トゥ・ストレンジャー」を聴く

モハメド・アリが亡くなった日の夜、「ボクサー」を追悼演奏したというのが彼の最新ニュース。そしてそれとほぼ同時にとどいたのがこのニューアルバム。その穏やかなたたずまいとは正反対に絶えず攻めの姿勢を崩さないのが彼のスタンス。なので過去には失敗作とレッテルを張られた作品もいくつか。さてこの5年ぶり通算13枚目のアルバムはいかに。

アグレッシブさという点においては前作「ソー・ビューティフル・ソー・ホワット」のほうが上かなと思う。だからといってしっとりとしたなごみ路線に走っているわけでもなく、現代音楽の作曲家やイタリアの有名DJ(ベース・トラックメイカー)とのコラボと、あいかわらず貪欲に他分野の音楽を吸収している。まあそのあたりの無節操なところが過去物議を醸しだしてきたんだけど。

ライナーではご本人が全曲解説しているが、ここではあえて1曲だけピックアップ。“オオサカ・ハンシン・タイガース”(彼はいつもこう言う)のファンでもある野球好きの彼は、またもや伝説のプレーヤーにスポットをあてている。1920〜30年代にネグロ・リーグで活躍した俊足の外野手クール・パパ・ベル。ずばりこの名前がそのまま10曲目のタイトルになっている。

とにかく音の組み立てや歌詞が持つ文化的背景をさぐっていくと、好奇心がいくらあっても足らないぐらいの情報量にあふれた作品だと思う。冒頭に書いた追悼演奏はギリシャでのライブのひと幕。ふつうにライブ活動してるのであれば、ぜひとも25年ぶりの単独来日公演を実現してほしい。そしてこんどは東京ドームなんかではなく、できたらもっと小さいハコで彼を観たいと思う。
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