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2015年06月20日15:26

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三田明が歌う「おまえに」はいかがだろうか

 この6月TBS-BS「歌謡プレミアム〜三田明」が放映された。三田明とフランク永井が行動を共にするということは、それぞれにイメージづけた方向が異なることから、ほとんどなかったのだ。だが、近年三田明がフランク永井の歌をカバーすることも多いので、この番組もみのがせないと思ったしだい。
 1時間番組で現在の三田明をどう描くのか、ということも気になった。そのあたりを三田自身がどう語るのか。三田明はフランク永井と同じビクターから1962(S37)年にデビューした。
 前年に日テレの番組で歌う美少年として注目されたのを機に、ビクターが誘い、当時の帝王の吉田正に付けてデビューさせたのだ。すでにフランク永井も橋幸夫も、吉田正の先輩の門下生として活躍していた。コロンビアでは舟木一夫が「高校三年生」でデビューしたり、西郷輝彦が「君だけを」で登場し、若い歌手の売り出しでもりあがっていた。
 ビクターは三田が舟木一夫に負けまいとぶつけたと、ここで語っている。会社が用意したマンションに幽閉?され、直接ファンと接したり、恋が芽生えるような接触も禁止され、それでも、窓を開けて近所に集まる親衛隊に手を振ると、大騒ぎをして怒られる状態だったとか、一日に何千通ものファンレターが段ボールで舞い込み返事も書けずに失礼したとかのエピソードが語られた。
 また、三田明が橋幸夫の「潮来笠」をものまねで歌った。これは三田が当時得意とした芸で、テレビで良く見たのもだが、なつかしく甦った。橋のこれを歌うときに、首を左右にかしげる動作とか、甲高い声質をうまく出していてなかなかのものなのだ。
 そして、話題はフランク永井に移るのだが、フランク永井がライブの舞台でよくものまねを上手にして観客を喜ばせていたのだと。第1回の労音ライブ(1964年)でそのようなことを実際に語っている。ビーン・クロスビーにあこがれ、FENを通じて自分自身がアメリカのポピュラー・ソングをまずまねて歌うことで必死で覚えたのだと。そしてディーン・マーチン、ビリー・エクステインらの声を歌って披露して、大喝采をえているのがLPで聴ける。
 三田は当時のこのライブを知っていて、ここから先輩のフランク永井のうまさを知り、客へのプロとしてのサービスの大切さを学んだという。そして敬愛するフランク永井にと「おまえに」を歌っていることの大事さをしる。同じ恩師吉田正をいだき、いまになって、共通を知るということであった。
 こうして、三田明が「おまえに」を披露するのだが、なかなか味を出した歌い方でいいと思った。三田明はかつてよく自分自身でいっていたのだが「吉田門下生の中でいちばん歌がへたで…」と。確かにビジュアル先行で歌っているので、歌のうまさは、作詞と作曲でカバーされているという点がずっとつきまとった。
 長い歌手生活の中でファンは別にして、目先を追いすぐにあきる一般大衆から忘れ去られる時代もあった。三田は俳優業に力点を移すときもあった。しかし、彼は齢が往くにつけてけっして歌も忘れずに、だんだんと味のある歌い方が身についていき、デビュー曲の「美しい十代」も当時の雰囲気をこわさずに、当時よりうまく歌っている。橋のものまねをみごとにするほどの得意な側面も持っている。
 その良さがなかなか引き出せなかったことがあったのだと思うが、彼の歌う「おまえに」はそのいいところがでている。今回の番組ではなかったが、彼は他に「有楽町で逢いましょう」や「霧子のタンゴ」などをカバーして歌っている。彼の実直な性格が歌にはいっているようで、興味のある方は聴いてみたらいかがだろうか。
 そして今新曲に取り組んでいる。喜多條忠作詞、浜圭介作曲「演歌みたいな夜ですね」。
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