北野武監督最新作、こんどのヤクザはユーモラスなジジイたち。くすぶっていた元組長がかっての仲間を呼び寄せて組を再発進、街にのさばるチンピラたちとの一大抗争。藤竜也・近藤正臣・中尾彬・小野寺昭ら、平均年齢72歳の超ベテランコワモテ俳優たちによる、世の中のすべての老人に捧げる大ドタバタ喜劇。俳優ビートたけしも刑事役で出演。
ヤクザOBジジイ8人と現役の反社会勢力との全面対決というおおまかなメインストーリーはあるものの、ほとんどはコメディアン・ビートたけしがいままで披露してきたお得意のヤクザがらみ小ネタの数々を、コント仕立てにしつつうまくつなげて一本の作品にしたような印象。なのでなかにはテレビやラジオにて既知感のあるオチもいくつか顕在。
鈴木慶一が音楽を担当。北野作品に彼がカラむのは日本アカデミー音楽賞を獲った「座頭市」、そして「アウトレイジ」2作に続いて4作目。いつものことながら本編が始まると彼がクリエイトした音ってことを意識しないまま終わってしまうんですよね。それって映画作品としてはいいことなのかそうではないのか。今回はジジイごとにテーマメロディがあったみたいだし。
もうちょっと鋭く高齢化社会を皮肉ってほしかった気もするし、ラストのスラップスティック・シーンはもっと長尺に、そして徹底してハチャメチャにしてもよかったのになんて思う。「アウトレイジ」2作が興行的にある程度成功したから、ここらでひとつ笑いをとってもうひと稼ぎというところか。ビートたけしとしては★★★★だけど、北野武としては★という作品です。
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