全編モノクロのロードムービー。荒涼としたアメリカのド田舎が舞台。まるでジム・ジャームッシュ作品のようだけど、こちらはもっとウエット。家族や友人のつながりを描くことに長けたアレクサンダー・ペイン監督の最新作。「サイドウェイ」や「ファミリー・ツリー」に引き続き、今回もまたクスクス笑いながら、最後にはホッコリとした気持ちが残ったヒューマンドラマでした。
懸賞で100万ドルが当たったと言ってきかない父親は1200キロ離れたネブラスカまで賞金を取りに行くという。渋々ながら同行する気の優しい息子。途中ふるさとの町に立ち寄ると親類や旧友がおこぼれ目当てに集まってきてひと悶着。とにかく登場人物すべてがリアル。ほとんど老人ばかり、たまに若いのが出てきたらデブ。これがまた荒涼とした米中西部の町によく似合う。
この監督の作品はどこか日本のドラマに近い感触があると思うのですがどうでしょうか。そう、まるで山田洋次や倉本聰の作品のような。今回の作品も「サイドウェイ」のようにぜひ日本でリメイクしてほしい、物語が進むにつれてだんだんとそんな気分になり、父子の役には誰と誰がいいななどと勝手にキャスティングをして楽しんでました。
父親役の名優ブルース・ダーンはこの作品で福山雅治らを押しのけカンヌ映画祭最優秀主演男優賞を獲得。カンヌの舞台は、そして父になった男より最初から最後までずっと父だった男を評価したわけだ。そして彼以上に強烈な存在感を見せたのが母親役のジューン・スキップ。きっちりアカデミー助演女優賞にノミネート、週明けの授賞式が楽しみになってきました。
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