ひとりは選手として17年間ほぼレギュラーの座をまっとうし、現役を退いたあともコーチとして10年、つまり一度もユニフォームを脱ぐことなく監督の座に。だからこの球団の酸いも甘いも噛みわけて、歴々の名将に仕えてきたのだから帝王学もバッチシだと、周囲はそう解釈したわけで。
もうひとりは選手としてはわずか7年、そのうちレギュラーの座には2年足らず。現役を退いたあとは21年もの長きあいだユニフォームにいっさい袖を通さず、解説者というよりはタレント寄りのキャスターを続けながら大学教授の職をこなし、いきなり縁もゆかりもない球団の監督に。
このふたり、どちらも今季の新人監督、年齢ひとつ違いで選手時代はどちらもリードオフマン。しかしながら結果は天と地。既成概念にしばられたまま単純にキャリアからジャッジすると、どちらが天でどちらが地なのか…。そう、まったく逆の結果になったのだから野球というのは面白い。
もちろん因習にとらわれることなく自由に人事交流ができ、ファン気質もその気候とは反対に非常に温かい、いち地方の新興球団と、あくまで伝統にこだわり辛辣なマスコミやファンをときには敵に回す、大都会を背景にした老舗人気球団ではその環境に大きな違いがあるのも事実。
でもこのまま日本ハムが日本一になると、監督の人選に関するさまざまな常識がくつがえって面白いな。ご本人はペナントレースの勝因を"何もしなかったこと”と謙遜されておられるが、少なくとも来年の"理想の上司”アンケートに栗山英樹の名が登場することだけは間違いない。
ログインしてコメントを確認・投稿する