7月4日の昭和鉄矢(武田鉄矢の昭和は輝いていた)番組です。「ブルースの女王青江三奈」。
今回もフランク永井とは関係ありません。同じビクターの歌手。ほぼ同時代を彩った大歌手。フランク永井は、夜の都会を代表する銀座、六本木などのナイトクラブでの情景を、松尾和子とともに飾りました。それに対して、ビクターで、少し遅れてほぼ同時に森進一と同時期にデビューした青江三奈は、カスレ声のコンビとして、主に新宿、池袋といった「大衆向け」の繁華街を歌にしました。
そして、ビクターの誇るこの二大コンビは意外とテレビでは重ならないように、気を使って活躍させました。フランク永井と青江三奈が「東京ナイト・クラブ」をデュエットしていますが、これは大変貴重な映像です。私はフランク永井に特化したファンです。それ以外の歌手にはあまり関心も薄いのですが、いろいろとフランク永井関係情報を負う中で、これといった歌手にであいます。青江三奈はそのひとりです。
当初、森進一と並んで出てきたときには、ビクターサイドは暗にフランク永井系統?と差別化をして宣伝していたように感じました。やはり歌謡曲に詳しい方にきいたら「あ〜、あのケバイ女ね」と。確かに見た目はそうであり、低いかすれ声には、いままでに聞いたこともないものでそれなりに驚いていました。なるほど、この引っかかる気持ちが、青江や森の売りなのだなとやや鼻につき眺めていたのを思い起します。
しかし、何度もいろいろな歌を耳にするにつけ、受け止め方が違ってきました、歌が上手い。あの昭和の奇才川内康範の「恍惚のブルース」の詞を、何の衒いもなく自然に、さらりと見事に歌いこなしている。他の歌も同様。ゲストの馬飼野氏が番組で話していた「盛岡ブルース」などはまさにそれ。ありきたりすぎるぐらいの詞、これを青江が歌うと、何やらすごい色町だったり、体験を思い起す情景が鮮やかに想起されてくる。これは並の歌手として見過ごせないな、と思ったものです。
さて、今回の番組では、青江三奈の27回忌とのことで組まれた2時間スペシャル。たいへん気合が入ったもので、ゲストは美川憲一と、歌謡曲に詳しい馬飼野元宏さんで、青江三奈のすべてを紹介するというものでした。青江のデビューから亡くなるまでをそつなく、彼女のヒット曲、カバー曲を紹介、さまざまなエピソードを語ってくれました。このように、ブルースの女王、ご当地ソングの女王を語り、なかなかこのような機会でないと観れないカバー曲が披露され、ファンには大変なサービスであったと思います。
ブルースの女王といえば淡谷のり子でしょうが、時代が代わり青江の時代では確かに、そのように冠してもおかしくないと思いました。ご当地ソングの女王と言えば、今は水森かおりに違いないが、当時青江は日本各所の歌を数多く歌っていて、水森の前の女王にふさわしかった。だが、当時ご当地ソングの女王とは言わなかったように記憶するが、これは定かではありません。
さすがBSテレ東というのは、青江のカバー曲をいくつも取り上げてくれたことです。確かに「東京ドドンパ」は不思議な魅力を出しています。「星の流れに」は菊池章子の歌ですが、青江が歌ってもぴったりはまり、売れたでしょう。私的には「愛人」がよかったです。誰がカバーしてもテレサテンらしくなってしまいがちなのですが、青江の歌唱にはそれがなく、そればかりか、決定的なのは何故か「青江節」が出ていないことです。そういう表現は変だと思われるかもしれませんが、青江の「愛人」を聴けばわかりますが、独特の哀れさがよく出た曲だと感じました。
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