先週は訃報が続きました。橋本淳、菅原洋一です。こころから、ご冥福をお祈り申し上げます。
橋本淳と言えばだれでも思う浮かべるのは『ブルー・ライト・ヨコハマ』『ブルー・シャトウ』であろう。作曲家筒美京平とのコンビでは数々の大ヒットを飛ばし一世を風靡した偉大な作詞家です。
フランク永井にも詞を提供しています。しかも作曲は筒美京平。このゴールデン・コンビなら大ヒットは間違いないと、誰もが想像したに違いないのです。しかし、残念ながらそうはならなかった。
作品は1969(S44)年度芸術祭参加作品「旅情」というアルバム。この作品の出来はと言えば大変高いと思います。出来が良くともヒットするとはこの世界、やはり別物といえます。
「私は、新聞社所属の37歳の中堅カメラマンです。…。1969年、夏、社名により、初めてヨーロッパ諸国へ取材旅行に出かけました。これからの物語は、私の小さな青春への惜別の詩ともいうべきものなのです」と当時ナレーターとしては売れっ子の小山田宗徳の明朗なかたりで始まります。
「旅情」「白夜の街」「ローマの祭」「夕陽は燃えて」「霧」「オランダ物語」「運河の女」「ひとり静かに」「美しき伝説」「愛の灯り」と曲が流れます。曲の合間に小山田と富山恵子(ナレーター)の短い語りがはさまります。全曲がドラマ仕立てて、コペンハーゲンからヨーロッパ各国をめぐり、東京に残した妻と息子へのさまざまな愛のエピソードが曲に重なります。
フランク永井の長編歌謡「慕情」を想起する歌謡組曲です。フランク永井のただならぬ歌唱力が全面に浮かびあります。
思い入れの深いファンには受けたと思うのですが、一般受けするまでには至らなかったのが残念です。私は「慕情」と並んでこの「旅情」は一度はぜひ聴いてみることをお勧めします。
「運河の女」は「ルイという女」のB面でシングル盤で出ています。アルバムからのカットではなく別途ちゃんと吹き込まれたようです。アルバムだと全体のバランス統一があります。そうとうな抑えた歌唱がないとニュアンスの統一ができません。シングル盤では独立した曲として完成しています。
さて菅原洋一ですが、90歳を超えた現役として、近年尊敬の的になっていました。フランク永井とは違う歌唱のソフトさ、甘さは独特なものでした。人気曲はほとんどがフランク永井もカバーしていて、異なる魅力を発揮しています。
菅原の最大の大ヒットである「知りたくないの」、そして「今日でお別れ」など、いつ聴いても、安心と安らぎを与えてくれます。音楽を本格的に学んだ方だけに、歌唱のレベルの高さを感じます。フランク永井とは同じようなジャンルを歌っていますが、菅原の歌唱は「ムード歌謡」とは誰も言いませんね。また、菅原洋一がフランク永井の曲をカバーしたというのもないですね。
ログインしてコメントを確認・投稿する