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2024年08月23日14:45

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「箱男」〜令和に突然ダンボール

ダンボールを頭からかぶりホームレス同様の生活を続ける箱男。路上をさまよう彼が覗き窓から見たものとは…。1997年に一度製作が決定するも突如中止。当時と同じ石井岳龍(石井聰亙)監督・永瀬正敏主演にて令和の世に再度問う問題作。安部公房の原作長編小説は学生時代に読んでいるはずだけどすっかり忘れていた。

これは70年代の物語とのツカミを用意しておきながら、劇中にはIT時代的な小道具が多々登場、これこそ時代設定などどうでもいいという作り手の意思表示。いやいやそれ以上にすべてが観念的で前衛的。具体的な引用はできないけど、まさに70年代の日本映画にはこういう手ざわりの芸術的作品がけっこうあったような。

そのアヴァンギャルドな物語を、主人公“わたし”を演じる永瀬を始め、浅野忠信・佐藤浩市といった日本を代表する男優たちが作り上げていく。たしかにダンボールからのぞく目線にはそれなりの演技力が要求されるのかも。そしてこの3人を束ねるのが葉子という女性。初めて聞く白本彩奈という名の存在感ある若手女優。

箱男とは、そして彼が覗き窓から見ているものは…すべてが何かのメタファーで構成されている印象、観る側にはある程度の想像力が必要かと。評論家筋にはおそらく高評価、キネ旬ベストテンには堂々のランクインも、読者選出のほうとは順位にギャップありという典型的アート系作品。それなりの覚悟で挑んでいただければ。


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