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2024年08月06日16:40

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「マミー」〜26年目のオブジェクション

1998年7月に起きた”和歌山毒物カレー事件”。夏祭りに提供されたカレーにヒ素を混入したとして犯人に目されたのは主婦・林真須美。明確な動機も状況証拠もないまま2009年には死刑が確定。冤罪の可能性もありと異議を唱えた制作者たちは事件の核心に迫っていく。監督はドキュメンタリー作品を得意とする二村真弘。

ラスト直前には勇み足さえ見せる熱心な取材。もちろん林真須美は無実というスタンスにそって描かれたものだから、観る側には、だったら真犯人は誰なのか?という疑問が終始生じ、さらにはある駅前において彼女の無実を訴える市民団体に食ってかかる一般男性の言動に、ある種のカタルシスを得るのではないかと想像する。

事件発生時の目撃証言の解明や、専門的領域にまでおよぶ科学鑑定のくだりに関しては、熱意ある取材力を評価したいと思うものの、被疑者家族(つまり夫・林健治とその息子)に食い込めば食い込むほど、保険金詐欺を重ねつつのうのうと生きていく人種に対する嫌悪感が増大、ひいては保険業界の脇の甘さにも言及したくなった。

ちなみに私と林真須美は1961年生まれの同い年。事件後しばらくして週刊誌には”豊かな時代に生まれ、何ひとつ不自由なく育ったので、自己中心的でわがままな世代“などと、同じ学年の松田聖子とあと何人かの著名人をひとつにくくった特集記事。あまりにもイージーかつ強引な世代論には当時あきれてものが言えなかった。
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