ざこば師匠が持つさまざまな魅力が語られている今回の訃報。こちらその高座に接したことはなく、何かの芝居で一度ふれただけ。そのほとんどがテレビ画面を通じて知る桂ざこば像。師匠の魅力がいかんなく発揮された番組のひとつに、首都圏では放映されない読売テレビの討論バラエティ番組「そこまで言って委員会」があると思う。
議論が白熱、パネリスト論客たちは専門用語を駆使しつつヒートアップ、論点がどこか遠くへ行きかけたとき、師匠は絶妙のタイミングで口をはさむ。「ちょ、ちょう待ってえな!さっきから聞いてたらなんや難しいことばかりで、わてアホやからさっぱりわからへん、そやけどそもそもこの件は…」と低い目線に問題を引きずり降ろす。
テレビを見ている側はここでホッとする。レベルの高い議論についていけず不安になっていたから。ついでに言うと、この番組は山口もえちゃんの存在も大きかった。本当は聡明ながら役割をわきまえた彼女はあえて天然ボケな発言をおっとりと投げる。見ている側は「ああ、ワタシはまだこの娘よりかしこいわ」とまたまたホッとする。
そこそこ長く大阪で暮らしていると、ざこば師匠のようなひとにそこそこ出会う。ひとつは彼の一般的人間像というか、多少けんか腰ながら人情に厚く涙もろいキャラ。もうひとつは上のように、揉め事のさいうまくクールダウンして着地させる人物。どちらもかけがえのない存在。謹んでお悔やみ申し上げます。安らかにお眠りください。
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