今泉力哉監督最新作品。波光きらめくのどかな小豆島の中学が舞台。同級生女子の高木さんにからかわれてばかりだった中学時代の西片。10年後、母校の体育教師となった彼(高橋文哉)の前に教育実習生として現れたのは、パリで美術を学んでいた高木さん(永野芽郁)だった…。原作は山本崇一郎の人気コミック、TBSでテレビドラマ化。
今泉監督作品でなかったら、あきらかにティーンをターゲットにしたこの”青春キラキラムービー”にふれることはなかったか。観る側に多少なりとも”夢見る思い”を感じさせることも必要、いくつかのリアリティのなさには目をつぶるべき。江口洋介が教頭先生役という時点で、中学時代なんてはるか彼方のことと自分の年齢を自覚。
主役のふたりがゆっくりじっくりと、”好きという思いを伝えること”というテーマに沿ったセリフを交わしていく。この焦らさせぶりにイマの時代の恋愛はこんなペースなのかといささかイライラもするが、思いを伝えることが不器用な男女のあいだを描いていくのは古今東西恋愛もの常道のひとつ。たしか「翔んだカップル」もそうだったか。
ついこないだ素晴らしい演技を見せていた子役が、女優としての可能性を感じさせる中学生役として登場していたのは収穫。今泉作品の特徴というべき、ほのかな可笑しさ漂うセリフのやりとりや、意表を突いた人間関係の妙に今回出会えなかったのは残念。多作で知られる監督のこと、ここは次回作に期待ということにしておきましょう。
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