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2024年05月04日17:20

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「悪は存在しない」〜着地は山あいに消ゆ

「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督最新作。自然に囲まれた長野県の小さな町にグランピング施設の建設計画が持ち上がる。やがてその事業主は東京の芸能事務所、しかもその計画はコロナ禍における助成金目当てのもの、さらに水源汚染の可能性も判明。自然との共存を願う住民たちへの説明会の日は近づいてきた…。

しばらくは豊かな自然描写が続き、やや焦らされながらもおそらくこれは後々の伏線だろうと納得する。やがて住民向け説明会が始まるや物語が急に立ち上がり、事業主と住民の対立の構図がわかりやすく呈示されるも、濱口作品のことだからイージーな決着とはならないだろうと思いつつ、観る側はその行方を追っていく。

タイトルが語るように、善悪というのは簡単に決めつけられないという過程を対立する双方に織り込んだあと、待っていたのはなんとも表現しようのないエンディング。起承転結の起と承、そこにつづく転の直前で寸止めされたような感覚、映画を途中で投げ出したと、悪意ぶくみで解釈するひとも少なからずいるに違いない。

もともとは前作に続いて音楽を担当した石橋英子が、自身のライブ用映像を濱口監督に依頼したのが作品の起点。たしかに音楽というよりは音響という言葉がふさわしい旋律が長野の山あいに重なる。ともあれこの物語はいったいどこに、どんなふうに着地したのだろうか、これから頻出するだろう様々な解釈を楽しみたいと思っています。

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