「カラオケ行こ!」の山下敦弘監督最新作。夏休みのさなかの特別補習、体育教師(さとうほなみ)から水が抜かれたプールの掃除を命じられた2人の女子。すぐ近くで野球部が練習しているせいでプールの底は砂だらけ、さらに女子が2人が加わると、肝心の掃除はどこかへほったらかしたまま、果てしなき女子会が続くのだった…。
関西弁によるイマ風な女子高生しゃべりがしばらく続き、カメラも灼熱の下のプールからほとんど離れることがない。高校演劇大会における最優秀舞台作品の映画化、彼女たちの会話ネタのひとつ、野球部の練習風景が最後までいっさい映らないこともあって、同じ過程を踏んだ「アルプススタンドのはしの方」を連想した。
やがては女子高生なりの“女性という性“をテーマとした問題提起が、じわじわと言った感じで会話の中に挟まれてくる。ただそれらはいかにもイマの時代の諸問題というよりは、むしろ我々が高校生だったころからずっと提起されてきたような、いわば普遍的に女性のありかたを問いかけているものがほとんどだったのが興味深い。
もともとは舞台劇なので仕方ないといえばそれまでだけど、終盤に向かいテーマを追究していくにつれてだんだんとセリフが芝居がかってきてしまい、映画的な表現は後退してしまった。月末に「告白 コンフェッション」が待機している製作意欲旺盛な山下監督、おりおりの時代の若者青春群像劇を撮らせたらピカイチというところです。
ログインしてコメントを確認・投稿する